第378話 華恋>仁映>ひより。案外世界3位だったぴより。

 美乳。それは大きさに非ず。美しい曲線、透き通るような肌に指が通り抜けそうな柔らかさ、しかし跳ね返すような弾力を持ち合わせた人類が最初に手にする奇跡の中でも至極。


「ひよりって幸せ者だなぁ〜。朝からあのおっぱいを好きにして良いんだから。」


 好きにして良いとは誰にも言われていない。常にポジティブな捉え方をするスコール女、それがPIYORIだ。

 そんなぴよりは大学に着くと、求人サイトを見ながら授業の時間を待った。最近のお気に入りは学生用の休憩所で紙パックのオレンジジュースを飲むことだ。ストローを吸うとなぜか「ちう。」っと音がしてしまうかわいいの塊。


「あ、おはよ。ひよりー♡」


「あ、ひとちん。おはよう!」チウ。


「昨日も楽しかったね。また遊びに行くね♡」


「え、ひとちん、マジですごいね!迷惑って伝わってないの?ひより、苦い漢方薬のんだみたいな顔で抵抗してたんだが!?」


「え~。苦い漢方薬飲んだのかと思ってたよ♡」


「話にならねぇなぁ!」


「あははは♡あ、まだ求人見てるの?早くシフト出して貰わないと遊びに行く日が決められないから、今決めちゃおうよ。」


「謎理論っっっっっ!!!」


「私も一緒にバイトしよっかな?」


「え、なんで!?そんなにひよりと居たいの??さゆりさん紹介したんだからもう解放してくださいっ!!」


「だからよ~。だって・・・ねぇ?ほら?♡」


「あん?」


「ほ、ホテル代とか・・・?あるじゃん??」キャー‼イワセナイデェ‼


「へ?で、でもひとちん、一人暮らしじゃん。。」


「声・・・我慢できる自信、、ないの、、。」


「わかるー。」*常に雄叫んでいるぴより。


 って言うかお前、、本当にもう付き合ってるのか??とひよりは言いかけたが、、付き合って貰った方がひよりにとっては都合が良いので言わなかった。そして人見知りなひより的には、こいつでも一緒について来てくれた方がバイトしやすいという腹黒い思いが浮かんだ。


「ね、ひよりはこの辺でバイトする??」


「あ、うん。大学の近くか家の近くかなって。」


「じゃあさ、ひよりの家の近くにして、」


「うちに居座るつもりだな!!だ、ダメだ!大学の近くにする!!」


「おっけー♡じゃ、笑美も誘う??」


「は?そ、そんな、3人も同時に雇ってくれる所なんてあるのか!!!??」


「そういうのはさ、交渉すればいいんだよ♡」


「つ、つおい。。強すぎるぜ、、」


「求人なんて見なくても、ここがいいなって思ったら聞いてみれば良いじゃん。働かせて~って。」


「そ、そんなの無理に決まって、、」


「だって、私たち、かわいいから♡大丈夫だよ♡」


「そうかっ!!え?」


 私たちはかわいい。イコール、どこでどんな言い分も通る。需要しかない。それが私の哲学。by仁映


「じゃ、大学から駅までの帰り道で決めよー!」


 当たり前のように言い放つ仁映。困惑しかないひより。ひよりは驚いた。まさか、、自分より常識の通じない女が・・・姉以外にもいるとはと・・・。

 だがしかし、この女についていけば自分は何もせずにバイトが決まる気がした。確信があった。ついていこう。この流れをただ、蹴伸びして泳いでいこうと。。


 このとき、ひよりの脳裏の片隅では、由奈の念押しの言葉が浮かんでいたが、仁映の自信に満ちあふれた一方的な発言に、かき消されてしまったんだ。。


「ひより、バイトを決める前にちゃんと私に相談してね。」←負けた



 続く。 


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