第239話 海老反りして移動するエクソシスト幼児ぴより

 六浦華恋。小学一年生の頃。


「ただいま〜!おかあさーん、ひよりはー?」

「おかえりー!抱っこする前に手洗いうがいしてね!」

「わかってるー!」


 ランドセルを自分の部屋に置くと、華恋はキッチンに走り、手洗いうがいをする。

 冷蔵庫から牛乳を取り出すと、コップに注いでその場で飲み干した。


 クピクピクピ…

「ぷっはぁ!キマったぜ!よし!」


 すぐに両親の寝室に走ると、そーっとドアを開ける。


「ひ、よ、り♡おねーちゃん来たよ♡」


 六浦ひより。生後8ヶ月。

「あ~~~う〜〜〜!」


「かっわいい♡ぴよたん〜!おねーちゃんに会いたかった?抱っこする?」


 華恋が片手を差し出すと、瞬時にひよりはパクっといった。


「わっ、食べられないよ?あはは!」


「はむはむ…ちゅぱちゅぱ。あ~~~!」


「ご機嫌さんですね?リビングで遊ぼう♡」


 華恋がひよりを抱っこすると、思い切りのけぞるひより。


「うわっ!反りがエグい(笑)遊びたかったんだね?」


「あ〜〜〜!」*動き足りねーぞ!的な叫び&海老反り。


 リビングのカーペットにひよりをそっと置くと、むっちむちのあんよを顔へ持っていき、またしてもパクっといったひより。


「あーダメダメ。足は食べちゃだめ!」


「あうあー!」*腹減った的な叫び


「おかあさーん、おっぱいあげないのー?」


「もう少ししたらねー。華恋はショートケーキがあるわよ!」


「やった!食べるー!」


 華恋が母親からケーキをお皿にもらうと、ひよりのそばで食べ始めた。


「じぃ。。あう!あーあー!」


「ほしいの?ひよりにはまだ食べられないよ?」


「あうあー!」*臨戦状態のぴより


 このときだった。ひよりが初めてハイハイをしたのは…。しかも、僅かな距離だったが、高速だった。ビタビタビタビタ!!


「わっ!うそ!お母さん!ひよりがハイハイした!」


 母親に知らせないと!と華恋は焦った。動画も撮りたい。慌ててキョロキョロしていると、事件は起こった。


「あうー!」ベチャ。


「キャー!ひよりー!?」


 六浦ひより。生まれつき、食べ物に興味津々であった。そして…ショートケーキに顔を突っ込む芸人気質でもあった。


「………むごっ?」


 息ができなかったのか…ガバっと顔を上げると、鼻と口の周りがクリームだらけだったひより。


「わー!お母さん!ティッシュ!!」


 華恋は慌てて母親に叫んだ。その姿を見たひよりは、どうやら面白かったらしく、


 にやぁ…。

「きゃっきゃっきゃっ!」


「えっ、なんか怖い!マシュマロマンみたい!」


 ということがあった。



陽菜子「その時、私が慌てて撮った写真がこれです。」


由奈「うわぁ…悪い顔で笑ってるなぁ♡極悪だぁ♡」


陽菜子「離乳食は全部好き嫌いしないで完食してたわね。さすがにケーキは食べさせられないからすぐ拭いたけど。」


由奈「そっかぁ。明日はショートケーキを買ってこよう♡」*顔にクリームがついてるひよりを見たい。


「それと、華恋さんがひよりを可愛がらなかったってのは嘘なんですね(笑)」


陽菜子「ひよりが可愛げなくなるまではちゃんとお世話してたのよ?」


由奈「可愛げないひよりの話も聞きたいです!あーかわいい♡」*性癖


陽菜子「ブリッジして動き回るから目が離せなかったのよ。」


由奈「ひよりって身体能力高いですもんね♡」



 次回、小学生のぴより。


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