第7話 主人公君がめっちゃ睨んできます


「それで、恭弥くん。何で私が2回も貴方の事を呼んだのに反応しなかったのかしら?」


 責める様な愛華の視線から逃れる様に目を逸らそうとするが、足を踏まれる事で阻止される。

 てか、ちょっとさきから無駄な接触多くないですか!愛華さんこれセクハラですよ!逆セクハラだー(棒)なんて口に出して言える訳もなく脳内で愛華に対して色々言ってると、愛華が痺れを切らしたのかまたもや頬を指で突いてくる。あれ?ちょっとさっきより力強めで、痛いです愛華さん……


「それで、早く答えて欲しいのだけれど?」


「嫌〜、ちょっと自分の不甲斐なさに嘆いていたというか、ズタボロになったメンタルを回復させようとしてたというか……」


 とりあえず適当な理由を並べておく。にしても、先からめっちゃ睨まれてるんですけど!?本人はバレてないと思ってるかもしれないけど、しっかり気づいてますからね!主人公君!──────── にしても、俺何か恨まれる様な事したっけな〜(すっとぼけ)

嫌、まぁ理由は分かってるんですけど、寧ろ思い当たる節しかないんですけど!今愛華と俺が話してるからですよね…… 分かります。

 おっと、そこの君達の為にこの俺が特別に教えてやろう!別に修平君と愛華は付き合ってる訳ではないが、修平君は実はあぁ見えて愛華の事が好きなんだ。

 ただ、そんな事を度胸もへったくれもない主人公君が表立って言える訳がない、だからこそ毎回家で愛華を想いながら自慰行為を行なってるという訳さ!

 はは!大分キツイね(笑) 正直思い返してみても、普通にキモいとは思う、人の性事情に口出すつもりはないが、愛華のパンツを盗んでそれをオカズにシコってるとかいう事実が判明した時は普通に鳥肌立ったよ。もう泥棒やんけ、犯罪だよ主人公君(呆れ)

 修平君、君の性癖や性事情は全て画面越しで伝わってきてるので全部把握してますよって教えてあげたいが、そんな事をした暁には主人公君の心がどうなってしまうかは想像つかない。


「何よそれ、まぁ貴方が勢い良く教室へ入ってきた時のあの教室が一気に静まる瞬間は流石の私でも少し吹いてしまったけれど。」


 あの時の少し聞こえた『クスッ』ってお前の声だったのかよ!!と思わずツッコミたくなるが、抑える。

 てかそんな俺のトラウマを抉り返す様な行為は是非とも辞めて欲しいものだ、さっきの出来事は既に俺のトラウマランキングTOP5入りを果たしている。

 ただでさえ俺のメンタルはズダボロだというのに、これ以上追撃を喰らったら今度こそ再起不能になってしまう……


「吹くなよ!ていうか、そんな俺のトラウマを抉る様な事言うのは辞めてくれよ、愛華みたいな美少女にそんな風に言われるとマジで死にたくなる……」


「び、びしょ!?///」


「お前ら〜、先生が説明してる時にイチャつくのは結構だが、少しは自重しろ〜!」


 先生に注意されてしまった…… だがさっきの愛華の反応でちょっとドキッとさせられたのは秘密だ。

 にしても、さらに主人公君からの視線が強くなったのは最悪だ。もう視線だけで人殺せそうなぐらい、めっちゃ睨んできてるよ。

 どんだけ主人公君、愛華の事好きなんだよ。ならもっとゲームの時、愛華に構ってやれば良かったものを、愛華の約束ほとんど突っぱねて他のヒロインと鼻の下伸ばして遊びに行ったりだとか、あぁ何か改めて振り返ってみると、主人公君、何かヒロイン達が寝取られてもしょうがないなとは思うな。

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