ふと目が覚めると、自分がNTRエロゲの竿役だという事に気づく。 〜ヒロインと関わらないつもりだったのに、何故か好かれてる件〜
立花
第1話 どうやら転生したらしい。
◇
「あ、俺転生してるわ。」
ふと目が覚めると同時に俺は前世の記憶を思い出した。特にこれといった特徴も無ければ、趣味もない、学校では話せる友達はいるが彼女なんていた事もない。家に帰れば暇潰しのエロゲ消化、それが前世の俺。
でも確か、あの日はトラックに轢かれそうになっていた男の子を助けて俺はそのまま死んだ筈....... まるで死に方が少しハマってたなろう小説の主人公だなと苦笑してしまうが、まぁそれはさておき、あの男の子大丈夫だったかなぁ。
「ま!とりあえず、前世の事を気にしててもしょうがないか。それより俺が転生したキャラの方が問題だ。」
少し振り返ってみるか、、
まずそもそもこのゲームの概要から振り替えられないとな、『僕の彼女達が全員寝取られた件』っていうのがゲームのタイトルだ。タイトルが安直すぎて初めて見た時は思わず驚いたし、中古ショップで100円で売られてたのを見て俺は最初全く買う気が起きなかった。
だが、丁度その時自販機でジュースを買った時のおつりが何て都合の良い事か100円ぴったりだったので、まぁ良いかと思って購入したのだ。
このゲームは計9人のヒロインで構成されている。まぁ当たり前なのだが格安のゲームなだけあって、ゲーム性やストーリーなどは正直微妙、こんな事しただけでヒロインが惚れるのってわざわざツッコみたくなるレベルでヒロインは主人公に惚れる。
だが、まぁこのゲームでも評価出来るところはある。それはキャラデザやヒロインの内面など、そこら辺は正直俺の性癖にグッと来た。
そして改めてこの静井恭弥というキャラなのだが、親が金持ちなのもあってか金には困ってない、そして良くも悪くも親が放任主義で恭弥は都内の最上階のマンションに1人暮らしをしている。
だから女なんか連れ込み放題だし、好き勝手やれるという訳だ。最初はヒロイン達も嫌々するが、次第に堕ちていって、最後には主人公の前で9人のヒロイン達との行為シーンを見せつけエンディングだ。
舞台は日本だが、法律によって一夫多妻制が認められてる為、エンディング後の後では恭弥を中心に9人のヒロインがアヘ顔晒すいうイラストと共に結婚しましたという文字が出てきて今度こそ終了だ。
うん、改めて振り返ってもかなり酷いな。こりゃ100円も納得のクオリティだ。だけど、本当にヒロインそれぞれのキャラデザや内面の作りが上手いだけあって、ネットの評価には星3を付けてやった。
「でも、このゲーム主人公にも結構ムカつくんだよなぁ。常にビクビクしてて、女には全く手を出そうとしないし、その癖内面はエロい妄想ばっかしてて、正直キモいとは思った。何でこんな奴が惚れられるんだと戸惑った程だ。これなら恭弥の方がマシだなと思ったのは秘密だ。まぁ、前世で童貞だった俺が言うのも何だかなと思うが。」
けど、このゲームってエンディングがあの1つしかないから。俺がヒロイン達と関わらないでいれば、新たな主人公と結ばれるエンディングでも生まれるのかな。
そこら辺は少し気になるところだ、後気になる点と言えば、良くこういうゲームのNTR役に転生しました的な小説でありありの世界の強制力だ。
────── まぁいっか、そん時はそん時だ。このゲームのヒロインは良いなとは思ったが、俺には別に寝取る趣味なんかない。だから遠巻きにヒロインを見れればそれで満足だ。
俺は視界に入った鏡の前まで行く、整った容姿、真っ白な肌、綺麗な銀髪。そして左は赤、右は黄のオッドアイ 、耳にはピアス。
うん、外見だけで見ればとてもNTRエロゲの竿役には見えないな。ただのイケメンだ、どっかの異世界系小説なら主人公にだってなれるレベルの容姿。
こんな子が夜ベットの上では腰を振りながら『おら!ここがいいのか!』とか言ってるんだもんな。
「よし!じゃ、適当に外でも散歩してこよかな。そういえば恭弥の記憶から分かるが、どうやら明日から学校の様だ。まぁ明日からゲームが開始する訳だが、ヒロイン達と関わる気はないし、とりあえず今日は街をぶらぶら歩いて暇潰しでもしよーっと。」
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