中間考査

 中学校に入学して、初めての定期考査があった。


 先輩の成績は、学年で一桁ひとけたの順位だと知った時は、

 さすが先輩だと思った。

 さらに、

 先輩は、中学校への入学試験でも、

 入学式で新入生代表を務めるくらいの好成績を修めたのだ、と。


 それを、6年間も努められたなんて。


 先輩のことを知れば知るほど、

 憧れずにはいられなかった。



 わたしは、そんな先輩に少しでも近付きたくて、

 試験勉強をがんばった。


 両親は、中学校に入学してからも勉学に励むわたしを見て、喜んでいた。


 受験勉強を頑張って、

 見事「合格」を得ることができ、

 無事に入学を果たした、その先に、

 先輩との出会いがあった。

 先輩に出会えたことが、何よりも嬉しかったことなのだけど。

 それは、

 未だ、誰にも打ち明けたことはなくて。


 わたしの胸の内に、そっと、しまってある。


 先輩がいたから、

 わたしは、今も頑張れている。






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