第156話 酒飲まずには酔えぬ悲しさ

 いやあ、世の中って、広いね。

 酒も飲まずに酔える人っているのよ。

 理想に酔って人にそれを伝えられる人。

 マジ、うらやましいよ。

 ある意味、ね。


 私なんてね、酒も飲まずに、酔っ払えません。

 それも、ビールの1本や2本じゃ酔えないときています。

 体にいいかどうかは知らんし、わかっておるけど、やめません。

 やめられないのは、植木等のスーダラ節だけや。

 わしは、わかっておって、やめんのじゃ。


 酒も飲まずに酔える阿呆には、なりたくねえ。

 酒も飲まずに理想に酔った人間なんか、死んでもなりたくねえよ。

 だから、酒飲んで、機嫌よく、酔っ払いたいのよ。

 それで酔っ払いさん呼ばわり。

 上等じゃねえの。


 理想など 酔えも語りも 出来はせぬ 酒飲まずには 酔えぬ悲しさ

 酒飲めば 少し多めに 飲んだなら その日確実に 酔っ払えます

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