第8話 謎の絵

岡山県北の駅前ビジネスホテルの一室にある、謎の絵。

 

別に私には絵心があるわけではない。そんな才能ない。

特に絵を描くこともしない。大体中学校美術・2だぜ。


同じ系列の他のホテルにも、そのホテルにも、むろん、

同じように、絵が飾られております。そらそうでしょ。

どこもおおむね、素人の私には明らかに絵とわかるよ。

ごく普通の水彩か油絵か、そういう筋の絵とわかるで。

だけど、こんな絵は、他でもそうそう当たらないのね。


象ともつかぬ、顔ともつかぬ、わけのわからぬ世界感。

あくまでも、ここは「世界観」じゃなくて「世界感」。

それが、いいのです。見ていて、何か落ち着くのよね。

そのホテル宿泊時は、必ず、その部屋指定でいきます。

聞くともう一人、そういう人がおられるらしいのよね。


謎の絵が、類は友を呼ぶ空間を作っているようですな。



 

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