磁覚眼鏡
彼は方向感覚に恵まれなかった。玄関を出たとたん迷子になるほどだった。気安く外出できず、引きこもりがちだった。
そんな彼が手に入れたのは、磁気感覚を利用する『磁覚眼鏡』だった。眼鏡をかけると、どの道をゆけば目的地へ辿り着けるのか、直感的にわかるようになった。彼の人生に新たな自信が生まれた。彼は外出を楽しむようになった。ドライブが趣味となった。日々、磁覚眼鏡を頼りに街を巡った。日本中をドライブした。
ある日磁覚眼鏡が故障した。修理に出すため家を出ようとした。玄関へ辿り着けなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます