第28話 お祭り④
だんだんと暗くなり、ランタンに光が灯された。
まだまだ楽しそうな祭りは、続く。
私とサイラスは少し踊った後、屋台で売っていた、郷土料理などを食べた。ジャスミンが匂いを嗅いで美味しそうと言ったものだけだけれど。
ジャスミンは、踊りが終わると戻ってきていて、横には数人の妖精たちがいた。
ラベンダー色の髪を持つプランと金色の紙のチャウダーそして、赤毛の男の子のハラー
彼らはとても仲良しなそうで、キャピキャピ話している。
私たちは中心外を後にした。
すると、男の人に呼び止められた。
「そこの方、精霊の森はどこでしょう。」
「ここからもっと先をいったところです。」
その方に優しくサイラスが教えた。その方はお年を召していて、私の父よりは年だった。彼はふわっとゆっくりお辞儀をして、
「気をつけてください…。」
と言っていなくなった。
なんだろう。不思議な感じがするわ。
サイラスが急に止まると、私を向かい合って、
「マリア、僕は君に話さなければならないことがある。」
そう神妙な顔をしながら、私を優しく見つめてくる。
「マリア、僕は君に助けられた。僕の本当の名前は、サイラス・レオール・ノーフォーク、この国の王太子なんだ。」
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