第23話 お祖父様とお祖母様

ウエスターナに来て何日か過ぎた。

お祖父様とお祖母様と過ごすうちにわかったことがある。



お祖父様とお祖母様は大恋愛したせいか今でも愛し合っている。いつもご飯を共にするし、時間があれば相手の趣味に付き合う。そして何よりも挨拶ができる。ここで言う挨拶とはおはようから始まりありがとうで続きおやすみで終わる。彼らが共にする時間は当たり前でないし、またしてもらえることも当たり前ではない。



夏に入り暑くなってきた。私はお祖母様とお祖父様を見ながら、色々なことに向き合った、私に足りなかった、相手を思いやる心や自分の少し醜い部分を伝えること。それも可愛らしく。そして完璧である必要はないことだ。



私は貴族から見た婚約者としては完璧だった。でも、相手と共に乗り越えるような、相手との対話のある婚約者ではなかったのだ。




あれから何度かサイラスがやってきた。彼はとても落ち着いていた、そしていつも楽しい話をしてきた。彼と話す時間はとても楽しい時間になった。




彼は私を命の恩人だと思っているのかとことん優しい。彼と一緒にいる時間は私にとってリハビリの時間のような感じだった。心のどこかで恐れていた男性像をゆっくりと壊していってくれる。




彼はとても優しく私に微笑んでくれる。見返りも求めてこない。




お祖父様とお祖母様と夕食を共にしている時、私にお祖父様が聞いてきた。




「サイラスをどう思う?」




お祖父様は少し不安なのかゴックッと食べていたものを飲み込み慎重に聞いてきた。




「とても言い方だと思っています。私は何もお返しできませんが。」




「そうか」




お祖父様は安心したように笑ってくれた。お祖母様もとても喜ばしいことのように隣で笑っていた。




こんな日がいつまでも続けばいいのに。
















私の気持ちとは裏腹に闇の力が強まっていた。

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