第293話 男を追う一休坊主! 追跡・尾行・その正体は!?


Side・一休坊主 


「……」


「モノレールか。都市に行くのか?」


 ――コメント


・モノレールか!


・都市にいくのか?


・何する気だ


・絶対ヤバいことするぞ!


・見失うな!


・距離大事!


・尾行頑張れ!


・めちゃドキドキするな!!


・相手ヤバそうだしな!


・目が離せん!!


・うおおお!!!


 試合会場で見かけた、ヤバい奴。


 黒髪、黒コート、黒ブーツの男を追った俺は。


 奴が、試合会場近くのモノレール……都市行のモノレールに乗り込んだのを見て。


 2つ後ろの車両に乗り込んだ。


「こちら、一休。目標は格闘試合の会場近くのモノレールに乗り込み。都市部へ移動中」


『笹木です! 分かりました! こっちでも注意します! 具体的な特徴。写真ありますか?』


「あ、写真撮ってます! 送りますねー」


 歩いてる時に、実は何枚か撮ったんだ!


 これをメールで送って、良し!!


『分かりました! 手配しときます!』


 ありがとうございます!!


 ――コメント


・本物の捜査みたい!


・警察してるぅぅう!!!


・ヒューーー!!!


・モノレールで都市か


・人多いな


・都市に着いたらもっと多くなるから、見逃さないようにしないと


・それな


・もっと近づいた方がよくない?


・バレるの怖すぎる!


・これくらいがいいわ


・せやな


 ――中央駅。中央駅です。


「……」


「!」


 モノレールで、都市部に到達!


 めっちゃ発展しる大都市の、中央駅で奴が降りた!


 俺も降りる!


 わ! 人が多い!


 ちょっと見逃さないようにしないと!


 ――コメント


・降りた!


・降りた!


・うわ、人多!?


・新宿かよ!


・ロサンゼルスかよ


・めっちゃ人多くてヤバイ!!


・奴は!?


・俺見失った


・俺見えてる! 画面左上


・どこどこ?


・あ、いた!


・一休も追えてる!


・いいぞ~!


 ああ、なんとか追えてるな。


 数十メートル後ろを、追う!


「中央駅で降りました。駅から降りて、繁華街の方に向かってます」


『了解! 手の空いた人を応援に向かわせましょうか?』


 んー。人が多くなると、気付かれるかな?


 でも、バトルするときは正直人手が欲しい。


 ええい!


「いえ、数が多いとバレるかもしれないので。危なくなるまで一人で」


『分かりました! また何かあったら連絡を!』


 うっす!


 そう言って、俺は奴を追い。


「!? 裏路地か」

 

 繁華街の裏路地へと入っていく。


 すると!


「! 裏路地を抜けて、裏通り。そこの酒場か」


 街の大通りから、裏道に入った通り!


 そこにある、怪しげな酒場へと! 男は入っていった!!


 これは、このまま入るとバレるかもしれんな。


 よし!


「裏に回って、警察道具! 集音機!」


 これで中の様子を、聞いてみるか!


 すると!


『よく来てくれた。ドスヤクザの情報は?』


『ああ、これだ』


『ほうほう』


「!?!? え!?」


 なんかすごいこと聞こえたぞ!?


 ドスヤクザの情報!? マジ!?


 ――コメント


・ドスヤクザの情報!?


・マジ!?


・え、ドスヤクザの情報を売ってるってこと!?


・おいおい、死ぬぞ!?


・鳴海会が敵に回るぞ!!


・死んだわこいつら


・マジかー


・えぇ


・ってか、はなしてる奴はユーザー? NPC?


・たぶんNPCじゃね? ここらへんに拠点があるユーザーギャングっていないし


・せやな。この島の都市にも、ユーザー・ギャングの小さい組織があるにはあるけど。ずれてるし


・そうかー。NPCがドスヤクザを……死んだな


・絶対勝てない定期


・南無南無


・でも、あのヤバいNPCは強そうなんだよな


・絶対師匠NPCだよな


・あのNPCとドスヤクザの戦い! 気になるぜ!


・分かる


・分かる


・どんな攻撃するか見たいね。ええ!


 それはそう。


 俺も気になる。


 っと、思っていると!


『よくできているな。では、次の依頼だ』


『ドスヤクザを殺せ!』


「!!!」


 NPCギャング(たぶん)が、爆弾発言!


 ドスヤクザの殺しを依頼したぞ!!


 マジか!!


 っで、それに対する! あのヤバイ男の返事は!


『いいぞ。1000京で受ける』


『そうか。ではさっそ……何?』


『1000京ゴールドだ。それくらい払えば、受けてやるよ』


『兄弟殺しをな』


『え』


「え」


――コメント


・え ×1000 


 きょうだい?


 え。


 ドスヤクザと、ヤバい男が。


 兄弟……。


 !? ファ!?


『!? 何!? 貴様、ドスヤクザの兄』


 ――ドガガガガガガガガガ!!! BAN! BAN! BAN!!!


『ぎゃ!』


『ぐわ!』


『ぐえ!』


『『『『『ごっへえええ!!!』』』』』


『そういう事』


「!!!」


 銃声!


 そして、10を超える死亡ボイス!!


 あいつが! あの男が!


 ドスヤクザの兄がやったんだ!!

 

 そう思い! 店の裏から、飛び上がって!


 窓を蹴破り! 店に入ると! 

 

 ――ガッシャァァァンンン!!!


「フリーズ! 止まれって、うお!?」


 そこにいたNPCは全員死亡!!


 頭に風穴を開けて、ヘッドショットで死んでいる!!


 見た目は酒場だが、俺が入った3階はかなり豪勢な作りで!


 高そうな絵画や、テーブル! 銅像に! シャンデリアと! マフィアっぽい感じだが!


 そのすべてに血が付き!


 もの凄い惨劇となっていた!!


 すっげ!!


 っと、驚いたその時!


「!? 銃声!? ボス! だいじょ、あ!」


「え」


 運が悪いことに! 銃声を聞いてやってきた!


 NPCマークのギャングたちと! 鉢合わせ!!


「てめぇ! ボスを殺しやがったな!!」


「「「「「ぶっ殺すしてやる!!」」」」」


「は!? いや、違う」


 ――ダダダダダダ!!!


「!? うおおお!!! 仏恥義理! カウンター!! 乱れ打ちィィい!!!」


 ――ダダダダダダ!!!


「「「「「!?!? ぎゃあああ!!!」」」」」


 危ねぇな! もう!


 人違いだっての!!


 ――コメント


・いや、冷静に反撃してて草


・【4000円】緊急事態だから良し!


・【2000$】正当防衛助かる


・【50000ポンド】カウンターよし!


・OKOK!


・これは正当防衛ですわ


・で、あのヤバい奴は?


・そうだ! ドスヤクザの兄は!?


・あ!


 ! そうだよ! あの危ない奴はどこに!


 っと、部屋を出て周りを見た。


 その時!!


 ――タンッッッ!!!


「!!!」


 見えた!!


 酒場の3階の窓から、上へと昇る影!!


 爆速で追いついて、俺も! 屋根へと飛ぶと!


「っよ! は! それ!」


 そう! パルクール!


 屋根から屋根に逃げる、ヤバい男!!


 ドスヤクザの兄を発見!!


「待てこらァァあ!!! 警察じゃァァあ!!!


 俺もそれを追い!


 大都市での、チェイスバトルが始まった!!!

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