第52話 坂本翔平、ユーザーの反応を見て、交流掲示板に感心。カジノの支配人にお礼を言われ、ストーリーの強さを痛感する。


「ふ~む。ふむふむ」


 プレイヤー側である、海軍側も盛り上がっているな。


 ああ、プレイヤーは軍船に乗る海軍だ。


 海軍として船を操り、海をパトロールし! 海軍武術……海賊武術と中身は一緒というか、設定としては海軍武術を盗んで海賊武術としたので、本家本元である……を駆使しながら!


 可愛い系、セクシー系、エロティック系な、武器娘たち……海賊でいう悪魔娘ポジの娘たちと、デートし! 力を高め!


 一緒に戦ったり、能力を引き出したり、合体して武器を振るう! 『合体装備』などをして、戦っていく遊び方が魅力だ!


 もちろん、貿易もできるし、島を買ってリゾートデートしたり。


 NPCの部下を率いて、尊敬されながら仕事をし。悪者を逮捕し。


 カジノやレストランも楽しめる。


 社会的偉さと正義を持ったプレイを、楽しめるだろう。


 ……まァ、海賊プレイから、悪事などを抜き。軍事力を加算したビルド。


 そういう感じであるね。うん。


 っで、そんな海軍プレイで俺は、バルセム大将という、筋肉ムキムキのおっさんキャラをしている。


 これが、始まりの街でのチャリン・スキー的存在あり。海軍武術などを教えたり、ユーザーと一緒に遊ぶことも多い。


 さっきの海軍掲示板にも、名前が出てたな。広く認知されてるのはいいことだ!


 っま、おかげで別の問題が出てきたが……これは、また後で考えよう。


「それはそれとして、嬉しい誤算もあったな! まさか交流が出来ているとは!」


 ああ、海が広すぎ、島が多すぎ、ダンジョンがありすぎ、賞金首が湧きすぎて、全体を把握できない。


 それにより、立場を明確にしない海軍と海賊が、情報交換し! 一緒にゲームを遊んでいるということ!!


 すべてのユーザーがという訳ではないが、よりゲームへの理解を深めて、遊んでいる! そういう現象が起きているのだ!


 これには俺も驚いた! 


 紳士・淑女ルールに則って、立場を明かさずに交流し、特に問題も起きていない。


 そんな交流を、小規模でも! ファンタジア・エルドーンで出来るとは! 思ってなかったのである!!!


 それができるユーザーが集まるほど、このゲームが成功するとは、思ってなかったのだ!!!


 ああ、このゲームがここまで盛り上がれた理由! 


 それは、美しい海に、釣り! マリンスポーツ! 可愛い悪魔・武器娘に、ここでしか味わえない料理! 


 高火力の殴りバトル! 海戦! 悪役令嬢ラミィなどの配信映像! 様々な理由があるだろう!


 しかし、その中でも! 一番大きかったのは!


 ――ピピピ! 電話です!


「! はい、もしもし!」


「ああ、オーナー! ご無沙汰しております! ゴールド・ラッシュ・ホテルでございます!!」


 そう! この電話の主!


 ゴールド・ラッシュ・ホテルが、ゲームに出てくれたおかげ! そう思うね! ええ!!!


「いやー、ホントにありがとうございます!!! 名誉オーナーのゲーム・コラボ宣伝のお陰で、満員御礼! 利益爆増!!! お客もかなり増えました!」


 ほう、それはよかった。


「ええ! 嬉しい悲鳴でいっぱいです! やはり、ゲーム内アイテムのグッズ化、海賊・海軍のコスプレ・グッズを売り出したのもいいですな! これだけで、凄い売り上げですよ!!」


「あと、ゲームの中のカジノゲームも、物凄い稼ぎとなっています! 今月の売り上げ期待してください!!!」


 おお。そうですか。期待しましょう。ええ!


 うん。ゴールド・ラッシュ・ホテルも、利益があってよかった。


 コラボで失敗は割とありえるし、成功してよかったよ。ええ。


 ちなみに、彼らのカジノで再現したゲームは、『銃の早撃ち競争』『宝釣り』『スペシャル・ポーカー』『海賊船レース』『トレジャーハンター』などだ。


 『銃の早撃ち競争』は、掛け金を決め。ディーラーや客と、おもちゃの銃で的を撃ち。その速さ・正確性で、勝者を決める。


 『宝釣り』は、チップを払い遊ぶゲーム! VR技術を使って、宝箱と魚が一緒になった宝魚を釣り。その中身のコインをゲットできるというシンプルゲー。


 『スペシャル・ポーカー』は、ポイントを溜めて技を使える! 運と技術と読み合いと、技の打ち合いや、駆け引きで戦う! ゲーム・ポーカー!


 『海賊船レース』は、その名の通り! VRゲームを使っての、海賊船・賭けレース!


 『トレジャーハンター』は、チップを払い、VRゲームで海賊船や軍船を操り!


 制限時間以内に、大海原を行き! 島に行き! 冒険しながら、戦いながら、宝箱を見つけ! その中身で稼げる!


 そう言った、ファンタジア・エルドーンの中にある、大人気ゲームたちである!!!


 なので、それに食いついたホテルの客は、ファンタジア・エルドーンに興味を持ち! ユーザー化!


 その流れがドンドン来て、ファンタジア・エルドーンのユーザーは、現在6000人越え! ヒューーー!!! 


 課金も増えたし、交流も増えて! 宣伝効果・抜群だァァあ!!!


 コラボ大成功!! イエーーー!!!


 っと電話を切った俺は、笑いが止まらないのであった!!!


 やったぜぇぇえ!!! ひひひ!!!


「ああ、本当にいい流れが来てる! 特に、その状況で、2丁マシンガン海賊団を狩れたのもデカかったな」


 良いことにはいいことが重なるもので! ユーザーが増えているときに、2丁マシンガン海賊団をプレイヤーが狩る動画が出た!


 人気のプレイヤー(配信者)が多かったし、2丁マシンガンも、アンチとファンが多いから、この動画はかなりバズってな! 凄い再生数を稼いだのである!!!


 それを知って、『今のファンタジア・エルドーンは、再生数稼げる!!』っと、配信者や実況者もファンタジア・エルドーンに、少しづつ来ている!!


 そんな、大きな流れが、生まれているのだよぉ!!! フーーー!!!


 まったく、素晴らしい成果だ!! 


 いいねぇ!! ええ!!!


 っと、嬉しいことが続いているが。


 問題が、ないわけじゃァない。


 うむ。さっきも少し触れたが、深刻なのが一つあるんだ。


 それが。


「バルセム大将、人気低いなァ……うーむ」


 俺がやってるバルセム大将、人気がいまいちない。


 いや、かなり低いといっていい問題だ。


 それは、ユーザーから低いというよりも、動画などの配信で低いという意味だ。


 どうも、プレイヤーの方でもバルセム大将と一緒に動画を撮って配信しているが、あんまり伸びてないらしい。


 むしろ、敵であるキャプテン・ジョリー・ロジャーと会敵したり、戦ったりする方が伸びがよく。


 プレイヤーは、キャプテン・ジョリー・ロジャーや、その家族である悪役令嬢・ラミィ所属する『悪魔の海賊団』との会敵を望み、海や陸を冒険している節がある。


 まァ、分からなくもないな。


 キャプテン・ビリーが悪役令嬢・ラミィの専属になって、ジョリー・ロジャーは、その兄貴ということで、ストーリー性もある。


 バルセム大将も、ファンはいるようだが。数字……動画の再生数という形で、はっきり出てるしなァ。うーん。


「ぽっとでの大将じゃ、キャプテン・ジョリー・ロジャーの対抗は張れなかったかァ」


 しゃーない。キャプテン・ジョリー・ロジャーが、かなり成功している。その事実に満足しよう。


 そういう訳で、これからはできるだけキャプテン・ジョリー・ロジャーを、俺本人が演じ。バルセム大将は、AIを入れて演じていこうと思う。


 というのも実は、俺の方でも実験をしていたんだ。それが、俺本人が演じたキャラと、AIが演じたキャラで、動画再生数や、視聴者の伴野は変わるか、だ。


 その結果、キャプテン・ジョリー・ロジャーは、俺やAIでも再生回数は高い値をキープしたが、観客の反応的には、AIよりも俺が演じる方が満足度や興奮度、スパチャ率や、ゲームユーザー加入率が、高かめにでることが分かった。


 どうも、俺がキャプテン・ジョリー・ロジャーで行うプレイ……俺は基本、家でやらされてきた武術を駆使して戦い、相手や周りの力を利用する戦いをするのだが。


 それが、最適な行動を選ぶAIと比べ、意表を突いた行動が多いとして、高評価だったらしい。


 うーん? そんなに差があるか? 


 俺としては、違いが分からんが。


 あと、俺が入ると『ラミィとビリーによく絡む』ので、それが良いようだ。


 いわゆる、尊い勢だな。


 これは分かる。ってか、思いっきり心当たりがる。


 AIはラミィとは絡むが、ビリーとは絡まないのだ。


 これは、俺が意図的に絡まないよう、AIに設定していた。


 実は、幽霊ビリーも高いAI詰んでるが、AI同士の会話って時々明後日の方向に跳んだり、変な会話になったり、文字化けしたり、おかしくなるんだよね。


 だから、生身の俺が入ってる時しか、ビリーとは絡まないんだ。


 っで、それをユーザーや視聴者は求めている訳。


 そう数字に出てるからね。仕方ないね。ええ。


 っで、一方のバルセム大将は、悲しいかな。俺とAIどちらが演じても、大差なかった。


 バルセム大将も、同じように。剣で相手を弾いて利用したり、銃で相手の銃を撃って弾き、爆発させたりと、キャプテン・ジョリー・ロジャーと同じ戦術をしていたんだが、うーん。


 やはり、ラミィ・ビリー・ジョリーの『ロジャー一家押し』には勝てなかったということだろう。


 これらの結果から、今後はキャプテン・ジョリー・ロジャーを俺がやり、バルセム大将はAIに任せる。


 そういうことで!


「さ、今日もラミィとコラボ! やっていこうか! 掲示板を見たら、旨いプレイや戦術に興味があるのが多いようだし、ちょっとそこらへんも触れていこう!!! ……あ、でも俺のプレイ武術ありきか。参考にならんか?」


 まァ、いいや! やれるだけやろう!!!


 キャプテン・ジョリー・ロジャーの中に入り!


 コラボの時間だぜぇぇえ!!! イエーーー!!!


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