29.メカフェンリル……?

☆龍崎 ルカ


「ギャルウウウウウウウウ」


 敵は機械でできた怪獣だ!

 中ボスって感じかな?


 変身した私は、敵の正面に立つ。

 そして、魔法を放つ!


 とりあえず、このフロアは狭いから、爆発する魔法はできる限りやめてっと!


 これだね!

 スター☆カッター!!


 私は両手に出現した星型のカッターを敵に向って投げ付ける。


「ギャルルルルルルル!!」


 と思ったら、相手の体は硬かったみたいで、弾かれちゃったよ。

 どうしよう……あっ! そうだ!


 機械だから、電気に弱そうだよね!

 バチバチ☆スパーク!!


 私の右手に黒い電気がまとわりついたので、それを相手に投げる。


「ギャルルルルル!?」


 当たった!

 これ威力低いけど、相手を痺れさせる効果があるんだよね。


 今の内にトドメ!

 超ミニ、マジカル☆ファイア!!


 私はそれを放った後、ソラちゃんをかばうようにする。

 少しは爆発しそうだからね。


 結果的に、軽く爆発したし。


「ありがとうございます!」

『いいっていいって!』

「これがテレパシー! 便利ですね!」


 本当に便利だよ。

 変身解除しなくても済むんだからね。


「それにしても、ここは本当にロボットのモンスターしかいませんねぇ」

『そうだね。ダンジョンの外はすぐそこに動物園があるのにね』


 ほとんどがロボットのモンスターだ。

 ボスモンスターはサイバーゴーレムらしい。


 けど、ボスモンスターを倒す必要はないと言えばない。

 錬金釜は宝箱に入っているみたいだしね。


 錬金釜って大きいのに宝箱に入るのかな?

 って、私達も異空間にアイテムとか収納してるし、その辺は今更だよね。


『ちなみに、どの層の宝箱に入ってるの? 確かここのダンジョンも全部で3層だったよね』

「中層にあるみたいですよ」

『ってことは、この層にあるってことだね』


 わざわざ下層に行かなくてもいいみたいだね。

 けど、今回は錬金釜を発見するのが目標だから、私が苦手な分野かもしれない。


『あれ?』


 あそこのフロアに宝箱を発見!

 私達はそのフロアへと急いだ。


 宝箱を開けると、中には小さい釜が入っていた。

 宝箱から取り出すと、大きな釜へと変化した。


『これが錬金釜?』

「そうです! やっと手に入りました! 後でお菓子沢山作りますね!」

『やったー!!』


 私、チョコレートが好きだから、チョコレートを使ったお菓子を注文しよう!

 と思ったけど、材料は流石に自分で揃えないとね。


 ダンジョンには、カカオとかあるのかな?

 そんなことを考えていると、警告音のようなものが、ダンジョン内に鳴り響いた。


『なにこれ!?』

「分かりません!! ですが、嫌な予感がします!!」


 すると、ここのフロアに多くのロボットモンスターが召喚された。

 でも、倒すだけなら大丈夫だね!


 でも、なんだか皆体が赤いような……。


「た、大変です! 多分自爆する気です!」

『な、なんだってー!?』


 囲まれている状況……これは危ない!!

 こうなったら!!


 スター☆カッター!!

 切断はできなくても、一辺に集めることはできるハズ!


 私はカッターを手裏剣のように投げて、敵を一辺に集めた。

 そして、ソラちゃんを抱えて、できるだけ遠くへ逃げる。


「ジバクシマス」


 ロボットモンスター達は、一斉に大爆発を起こし、遠くのフロアにまで逃げたと言うのに爆風を感じられた。

 私はともかく、ソラちゃんが食らっていたら、もう2度とダンジョンには来られなくなっていたかもしれない。


「びっくりしました……あのフロア自体が罠だったみたいですね」

『私もびっくりだよ。って、壁に穴が空いてるよ!』


 爆発の衝撃で、さっきのフロアの壁に穴が空いた。

 そして、中には道が!!


『もしかして、隠し通路!?』

「そうかもしれません!! やりましたよ!! ここのダンジョンのそういった情報は載っていません!! かなり幸運ですよ!!」


 ソラちゃん嬉しそう。

 私もこういうのはワクワクしちゃうけどね。


 私達はその通路を恐る恐る進んで行った。

 道中にモンスターはいない。


 進んだ先にあったのは……。


「行き止まりですね……」


 大きなボス部屋みたいな所で行き止まりだった。


 本当にここにはなにもないのかな?

 ってあれは!


 犬みたいなサイズのモンスターが寝てる!


『ソラちゃん! あれ犬のモンスターじゃない!? まさかのメカフェンリル!?』

「情報がないモンスターですね……近くで見てみますか!」


 近くで見ると、起きちゃったみたいで、その子は警戒態勢に入ってしまった。

 そして、よく見ると、メカフェンリルじゃなかった。


 確かに狼っぽいんだけど、翼も生えている。

 これはもしや……。


『メカキメラ!?』

「メカキメラですか……! こちらに敵意を向けて来ましたね!」


 すると、メカキメラは体のサイズを私と同じくらい、つまり2mくらいに変化させてきた。


「ワオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


 ボスモンスターってことだね! やっぱりやるしかないみたいだ!

 隠しフロアにいたってことは、強いだろうし、手加減せずに行くよ!


 このフロアは広いし、一気に決める!

 マジカル☆ファイア!!


 私は黒い火球を口から発射した。

 よし、当たる!


 って、思ったら予想外の方法でかわされたよ!


 なんと、体が分離したのだ。


 顔、体、脚、尻尾、翼のパーツで構成されているみたいで、バラバラになった後も自由自在に動いていた。

 中々の強敵だね!


「グルルルルル!!」


 って、尻尾が鋭い!

 剣みたいになっていて、それを私に向かって振り下ろして来た。


 私はそれをかわすと、今度は上空に巨大な前脚2つがあった!

 なんか大きい!


 それらは私に向かって振って来たけど、むしろチャンスだ!

 バチバチ☆スパーク!!


「グルルル!?」


 巨大化した前脚は地面に落下し、元の大きさに戻った。

 そして、ダメージなどは連動しているようで、全てのパーツが痺れて動かなくなったみたい。


「グルル……ルルルル!!」


 痺れながらも、パーツを戻し、4足歩行に戻ったみたいだ。

 巨大化に分離……色々と手強い相手だったよ。


 最後はマジカル☆ファイアで決まりだね!!

 マジカル……。


「ちょっと待ってください!!」


 ソラちゃん!?


 ソラちゃんが私の体を押さえつけるように、抱きついてきた。

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