13.自動撮影装置を手に入れに行こう
とある休日の日。
今、私達は3人でダンジョン探索に来ていた。
「初配信、スタートするよ!」
この前の動画は大成功だったみたいで、チャンネルに登録してくれた人や高評価してくれた人、コメントしてくれた人が沢山いたよ。
でも、私はネットでのコミュニケーションの仕方がよく分からなかったから、コメントの返信についてはソラちゃんにお願いした。
炎上っていうのが怖いからね。
「しっかり撮りますからね!」
今回の初配信、ソラちゃんはカメラマンを担当だ。
実はこの前ゴーレムにスマホを潰されて、その後は昔のスマホを使っていたみたいだけど、新品に買い替えたみたい。
「さ! 行くか! 破壊龍ちゃん」
戦闘をするのは、ココロちゃんと私だ。
破壊龍ちゃんって言うのは、ネットでの私のあだ名で、それをそのままハンドルネームとして使っている。
「了解!」
今の私達に必要なものは色々ある。
それを今回入手しようと思って、ダンジョン探索に来ている。
とりあえず、今日はダンジョン配信者には必須と言われているとあるアイテムを見つけたいと思っている。
そのアイテムとは……。
「どうも! 龍剣術師チャンネルです! 今日はあのアイテムを入手しに来ました!
さて、それはなんでしょう! 当ててみてください!」
私は配信者にちょっとしたクイズを出してみた。
・『なんだ?』
・『装備? ミラクルちゃん以外は、まだ初期装備のTシャツに半ズボンだし』
・『俺の推理をお見せしよう! グループチャンネルなのに、1人画面内にいない。ということは、カメラマンがいる。つまり、【自動撮影装置】を持っていない。よって、答えは自動撮影装置! どうだい? 俺の華麗な推理は!』
・『↑なにこいつ』
「正解!」
答えは、自動撮影装置だよ。
スマホに取り付けることによって、スマホが空中を自由自在に飛び回って、勝手に撮影してくれるって優れもの!
配信者はこれ必須って言われてるみたい。
まぁ、カメラ持ちながらモンスターと戦うとか無茶だし、配信とか動画撮影したい人は、これ使うしかないからね。
ちなみに情報源は全てソラちゃんだ。
コメントは自動読み上げ機能で、なぜか邪魔にならない程度に脳内に流れて来る。
念じればオフにすることも可能だよ。
スマホの持ち込みだけ可能だったり、ダンジョンっていう存在には、配信をしろっていう何者かの意思が感じられる……なんてね!
とりあえず、モンスターがいつ来るか分からないから、変身しておこう!
「マジカルチェンジ!」
紫色の光に包まれ、変身した。
・『今日は小さいのな』
今日は2mだからね。
フル出力だと10mになれるけど、5分しか戦えないからね。
・『前も小さかったろ』
・『それがいい』
・『変身後の姿のことを言っているのでは?』
ちょっと! 最初の人! 私の身長は大体平均値なんですけど!
いや、別に嫌じゃないけどね?
ソラちゃんだって小さいし。
でも、ソラちゃんはかわいいからなぁ、
「破壊龍さん、答えちゃってもいいですか?」
私はソラちゃんの方を向いて、頷く。
別に秘密にしてないからね。
それにしても、変身すると喋れないのは不便だ。
・『そうだったんか』
・『大怪獣バトルは見られないってこと?』
残念ながらね。
・『俺男の子だから、そういうの見たい』
・『そもそもそんなデカイモンスター、中々いない件について』
・『破壊龍ちゃん薄いからな』
薄い……? そうかな?
体のサイズがフル出力より大分劣っているだけで、そこそこガッシリしてるドラゴンだと思うけど……。
とりあえず先に進もう。
ここのボスを倒せば、自動撮影装置が手に入るみたいだからね。
ここのダンジョンは、確か全部で5層だったよね。
それにしても、最後のエリアにボスがいてそれを倒して入手って言うのはゲームみたいで、何者かの意思が以下略。
本当になんなんだろうね、ダンジョンって。
「おおおおおおおおお!!」
・『カメラブレまくってて草』
・『なにか見つけのたかな?』
ソラちゃんどうしたんだろう?
壁に向かって走っていった。
「こ、これは……ダ、ダ、ダ、ダイヤモンドです!!」
ダイヤモンドってあの!?
・『マジかよ』
・『ダンジョン内のアイテムは外部に持ち込めないけど、貴重だぞ』
「すげえ! ダイヤモンドだぜ!」
ココロちゃんもそう言ってるってことは、やっぱりダイヤモンドなの!?
「綺麗です! 翼が生えて飛べるようになりそうです!」
ソラちゃんが、まるで目を輝かせるようにしてダイヤモンドを見てる。
・『※ダイヤモンドにそのような効果はありません』
・『ダイヤモンドで翼? ……なんのネタだ?』
・『というか、そのダイヤモンド偽物だろwww』
・『そこのダンジョン確かダイヤモンド取れなかったハズ』
ココロちゃんとソラちゃんはがっかりしている。
私もがっかりだよ!
誰!? こんな所に偽物設置したの!
「とりあえず、後で売りたいので、偽物でも取っておきますね!」
・『まぁ、偽物でも売れない訳じゃないしな、初心者だとゴールドも足りないだろうし、100ゴールドくらいでもあった方がマシ』
「まぁ、私そこまで初心者じゃないんですけどね……1年前から活動してましたし……」
ソラちゃんは、底辺Utuberって言ってたっけ。
私からしたら、全然そんなことないと思うんだけどな。
だって、11人もの人がソラちゃんの配信を楽しみにしてたんだよ?
「メタルウウウウウウウウウウウウ!!」
って話してたら、モンスターが来た!
銀色のゴーレム!?
大きさは2mくらいだけど……。
・『メタルゴーレムだな。打撃系の攻撃で一旦ボディの一部を破壊してからじゃないと、ダメージ通りにくいぞ』
それを聞いて、ココロちゃんが私の前に立った。
「はあああああああああああああっ!」
なんと! ココロちゃんがメタルゴーレムをぶん殴った!
殴った個所は凹んで、少し砕けた!
・『えw』
・『剣聖なんだから剣使えよ!』
・『まぁ、剣聖は剣が近くにあれば身体能力が上がるから……』
ココロちゃんは叫ぶ。
「今だ! 破壊龍!!」
OK! 魔法【マジカル☆ファイア】!! 手加減バージョン!!
ココロちゃんが攻撃した部分に、黒い火球を発射する。
「メタ……ル」
それを食らって、メタルゴーレムは壁まで吹き飛ぶと、粒子となり消滅した。
危ないから手加減したら、最後に爆発はしなかったよ!
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