地球滅亡の歌

ねこ沢ふたよ@書籍発売中

第1話 信じらんねえと 誰もがそう思った

 一週間後、彗星が地球に衝突します。

 回避できません。


 そう言われたのは、八月のことだった。

 甲子園で球児が汗を流し、夏期講習で俺たちは、名ばかりの夏休みを過ごしていた。

 そりゃ、成績優秀なら、補習なんて受けなくて良いから、素敵な夏を満喫することが出来るのであるから、俺の場合自業自得と言えないことも無いけれど。


 あんまりじゃない?


 てか、夏期講習の意味なんてないでしょう。

 一週間後に地球が滅亡するなら。


 だが、講習は予定通り続く。


「彗星が衝突しても平気かも知れないし、各国で対策を考えているんだから大丈夫だろう」


 先生は言った。

 

 まあ、誰もこんな話信用できないか。

 街は、このショッキングな話を、おとぎ話として受け取ったのか、平常運転だった。

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