第87話 旅先 -大垣4-
僕らは、やがて大垣城へと辿り着いた。
街の中に再建されたお城と言った感じだ。
公園の中にあるお城とも言えるだろうか。
敷地としては、なかなかの大きいように思う。
公園周辺には、郷土館や守屋多々志美術館がある。
浜松城に似ているが、あちらは城が高い位置にあるから少し違う気がする。
坂も多いから。
「綺麗なお城だね」
「うん、ちょっとシュッとしててスマートな気もする」
僕は、登ったことがあるのは浜松城だけだけど今までいろんなお城を旅の間に見てきた。
あ、よく考えたら二条城は数日前に行っていたな。
他にも駿府城や掛川城、名古屋城なんかも近くを通ってみている。
それに比べるとなんか平地にある城って感じがする。
掛川城なんかは凄い長い階段を登らないといけないらしいし。
あっちも街中にあるけど存在感がちょっと違う。
僕らは、登城することにした。
大垣城は、1階が関ケ原合戦と大垣城に関する展示。
2階が、武士と庶民の文化や生活に関する展示。
3階が、オープンスペース…休憩所。
4階が、展望室になっているらしい。
「わぁ、関ケ原の合戦だって。尚弥くん」
「確か、西軍と東軍に分かれていたんだよね。
豊臣方と徳川方…へぇ、ここは西軍の石田三成が治めていたんだね」
「ねぇねぇ、尚弥くん。石垣に化石があるんだって」
「へぇ、巻貝…2億5千万年前の化石の埋まる石垣ってすごいな」
僕らは、展示物に一喜一憂しながら城内を楽しんだ。
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