苔生した石段の先ふと香る産毛のような名も知らぬ草

 雑草という名の草はない。それはそうです。ではあの草の名はなんなのか。現代であればグーグルレンズだったり写真を撮ってTwitterで有識者に意見を求めたりできますが、当然それができない時代の方が長かったし、現代でもわざわざそこまでする人間は稀です。言葉は記号として、表現として、時にそこにないものを生み出すことがある。雑草という名の草はないけれど、雑草という言葉は確かに生きているのだと思います。

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