第59話 アントワーヌの暴走
私のお腹の子供達は順調に育ってる。
双子なので通常出産より早く産む事になるので、そろそろ出産準備を始めだした。
私が姉様と子供服を作っていると、慌ただしくデッカートとマグノリアが部屋へ入ってきたの。
「サツキ様、メルヴェイユ様からの早馬がありました」
手には手紙を持っていたので、私は手紙を受取り開封しようとすると、姉様が開封を止めて渡すように言われた。
「私が内容を確認するわ」
「うん、判った」
姉様に手紙を渡すと手早く開封して、内容を確認すると表情が少し『ピグリ』と動いたのが判った。
「兄様とアザレアがレンドルド王国とリュミエール王国を抜ける時に、村や町をいくつか全滅させたみたいね……あの馬鹿っ」
「お兄様……本当に人の心を失った……」
姉様は手紙をデッカートへ渡して、ショックを受けた私を抱き寄せて頭を撫でてくれた。
「さぁ、サツキは少し横になって休みなさい。お腹の子供達がママの事を心配するでしょ?」
「うん、ありがとう」
私が横になって目を閉じると、姉様はマグノリアと付添いを変わって部屋を出ていった。
➖・➖・オドレイ視点・➖・➖
サツキを休ませてから部屋を後にすると、手紙を読み終えたデッカートが合流した。
「アントワーヌが来る。警護を固める必要があるのと、同行してるアザレアとは?」
「サツキの専属メイドだけど、お祖母様の持つ特殊部隊【樹】の中でも指折りの暗殺者よ」
「その2人がサツキを狙ってるのか……」
「アザレアは私とマグノリアに任せて頂戴」
「アントワーヌは私に任せてくれ」
「確実に2人を殺すわよ。サツキにもお腹の子供達にも指一本触れさせない。そして、私達が死ぬ事も許されないわよ」
「判ってるよ」
サツキが生れた時にお祖母様に言われた『可愛い妹を大事にするのですよ』の言葉を忘れて暴走したおまえを許さない。
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