第18話 制圧の魔弾
私はグレナディエ領王の長男ライアンに案内されながら櫓へと移動する。
「サツキ嬢の事はレティシアから聞いた事があるけど、他の兄姉と雰囲気が違うんだね」
「私は隔世遺伝で祖母に似たんです。それより姉様と知り合いなんですか?」
ライアンの口からレティ姉様の名前が出たので、どんな関係なのか聞いてみた。
「学園のクラスメイトだよ。レティシアほど優秀じゃないけどね(笑)」
「Sクラスなら十分に優秀じゃなないですか!」
「ありがとう。この階段を登ると櫓へ繫がってるんだよ。急だから足下に注意してね」
通路から階段を登って行くと櫓に到着する。王国軍の船は櫓に取り付こうとするんだけど、弓兵より放たれる矢の雨に悪戦苦闘して、なかなか進めないでいたの。
「本当にサツキ嬢1人で大丈夫なのか?オドレイ様を呼んだ方が良くないかい?」
「大丈夫、姉様だと湖の水が干上がるから(笑)」
ライアンは私が1人では不安だったみたい。学園では姉様ほど目立ってないから仕方ないね、私は王国軍へ攻撃する為に、魔法を発動させて船に向かって攻撃を開始する。
「〚
私は船に狙いを定めて火炎弾を発射する。『バシュ』……先頭の船に火炎弾が当たると爆発が起こり、船は燃え上りながら沈んでいく。その後も次々と火炎弾を撃ち込んでいき、王国軍の船は10分も経たないうちに全て沈んでいったの。
「はい、私の任務は完了したので本陣へ報告しに戻りましょうか」
「あっ、あぁ………サツキ嬢がこれ程とは思ってなかったので驚いたよ……」
ライアンは短時間で王国軍が壊滅した事に驚いていた。周りの兵士達は押し寄せる王国軍が突然壊滅した事に、歓喜の雄叫びをあげていた。
「王国軍が一瞬で壊滅したぞ〜」
「あの少女が俺達を勝利に導いてくれたんだ。俺達には〚戦天使〛が付いてる!王国軍なんて恐れる必要なんてないんだ〜」
私に向かって全員が手を振り叫ぶので、笑顔で手を振り返してから本陣へと移動した。
➖➖➖ライアン視点➖➖➖
マルグリット領国の末娘サツキ嬢の
はっきり言おう、サツキ嬢には何も期待していなかった。私の知る限りでは見目麗しい少女で、アントワーヌ様とオドレイ様が可愛がってる妹のイメージしか無かったからだった。
それが、オドレイ様に劣らぬ魔法で王国軍を壊滅させたのだから驚いた。僕より歳下なので決まった相手が居なければ、父に言って縁談を持ち掛けてもらうように伝えよう。
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