新しいスキル
街を回って見たがめぼしいものしかなく、目を引くものはなかった。
露店しかなく装備を揃えようにも物が悪い上にしかも高い。
レオナが困った顔を向け話し掛けてきた。
「本当に服も替えなくて良かったのですか?」
レオナが困ったようにうつむいて考えこんでいる。
「ああ⋯⋯しょうがないさ」
流浪街の住居区は怪しまれ話しかけられることはなかった。
大会施設や闘技場は参加料がかかり今の金額では心許ないということに⋯⋯ということで決まったのがダンジョンということになった。
しばらく回ったところでチュートリアルクリアの表示が現れる。
『チュートリアルクリアによりレベルアップ!ポイント交換解放しました。 100ポイントゲットしました』
おおっ!100ポイントゲットだ! これは嬉しい。しかし、チュートリアルクリアといいゲームの延長のような世界だな。
神の与えたスキルの為か⋯⋯
ポイント交換解放って言ってたな。
とりあえずメニューを開いてみる。
メニュー画面
―― 如月夏樹 ――
ランク外 ポイント 140 949ドルズ
『ジョブチェンジLEVEL-1』
『天地万有の声』
100ポイント『創造魔法』
⋯⋯今度もひとつしかない⋯⋯どういうことだろう?
しかしこの状況ならこれも取っといてもいいだろう。
ポチっとな。
『創造魔法取得しました』
「なあルシファーこの創造魔法では何ができるんだ?」
ルシファーがニコニコしながら此方を見てくる。
「おおっ!創造魔法であるか。我輩もそのスキルを聞くのは500年ぶりである。使い方次第で様々な魔法やスキルわ組み合わせていろんなものや現象を起こせるという魔法スキルであるのだ」
組み合わせ次第で様々な魔法をものや現象を起こせる魔法スキルか素晴らしいな。
「とりあえずダンジョンに潜る前に携帯食料と水ぐらいは用意した方がいいですね」
「水なら我輩の魔法で出せるので問題ないのだ」
ルシファーがムンって胸を張ってる。
「まあダンジョンでは剥ぎ取りもないですし、携帯食料さえあれば立ち回りできるでしょう
携帯食料は冒険者ギルドが初心者応援セットを販売してますのでそちらに向かいましょう」
◇◆◇◆◇◆
冒険者ギルドに移動し、入り口にはいる。
バーが中にあって何人かテーブルで飲んでいるようだ。
「割引も欲しいし登録をしておくか」
受付にいる女性に話しかける。
「いらっしゃいませ。冒険者ギルドようこそ!どんな用件でしょうか?」
「ギルド登録と携帯食料の初心者応援セットをくれないか」
「初めての登録ですね。そちらにいる皆さんもですか?」
ちらりと後ろを見るとレオナは泣きそうになりながらモジモジしながら答えてくる
「私は魔導師ギルドに登録をしてたのですがこちらの方は初めてでして。活躍でもすれば魔導師ギルドも見直してはくれるとおもうのですが。魔導師ギルドではCランクを登録していました」
ルシファーはと⋯⋯もちろんない。
「ではこの用紙に必要事項を書いてください」
ギルドのお姉さんに言われ紙に書いていく。
武器はとりあえず籠手だな。
VRMMOオンライン『ブレイブアスガルド』と書いてある字は同じ字で読めるし、書けるな。
種族は人族と⋯⋯
職業の欄は…と書くなら魔法拳闘師が無難だな。
でも嘘になるからフリーのままでいいか。
ルシファーはどうなっているかな?
おおっ!真面目に書いてるな⋯⋯どれどれ⋯⋯
名前 ルシファー
種族 堕天使族大悪魔
職業 デモンズエンペラー
武器 隕石が特に好き
うわぁ⋯⋯
隕石が好きってなんでやねん!
明らかに何処か隕石メテオライト落としてるよね。大規模破壊だから。ダメ絶対!
「ひっ⋯⋯怖がらそうとして、冗談はダメですよ。嘘は罰則がかかりますからね」
受付嬢さんが気づいて持ってた羽ペンを落としてる。顔が青いよ。
「我輩は嘘などついてないのだ!むしろ正直者だと思うのだ。マスターも何かいってほしいのだ」
少し困りながらルシファーは声をかけてくる。
「まあ嘘はないしな。まあ騒ぎにならないといいが」
そっと目を下に逸らす⋯⋯ギルド登録するの早まったかな?
気を取り直してレオナの書類に目を向ける。
名前 レオナ
種族 獣人族
職業 ウィッチ
武器 杖
⋯⋯ふむふむ魔導師ギルドにいたまんまなんだろうな。
3枚とも仕上がったな。あとは提出してお金を払うだけ。
受付嬢に渡してか確認してもらう。
「しばらくお待ちください」
受付嬢が席を外し奥の部屋に入っていった。
◆◇◆◇◆◇
待つこと10分ぐらいのところで受付嬢が帰ってきた。
手には携帯食料が3人分持たれていた。
その後ろにもう一人書類とカードを持っているおっさんがいるな。
「それでは冒険者登録をしますので3人の登録料金と携帯食料代合わせまして50ドルズいただきます。
冒険者カードをなくされた場合は再発行手数料10ドルズが発生しますのでよろしくお願いします。
なお魔法登録すると腕輪と連動できるので便利ですがどうされますか?
別途50ドルズかかりますが⋯⋯」
「魔法登録はまたの機会にするよ。50ドルズで頼む」
腕輪をかざして決済する。
それを見たのを確認して後ろからブロンズカードを持ってきた。
「Fランクの冒険者カードだが殺しや破壊活動や脅迫など違法行為などしたら冒険者カードは剥奪及び奴隷落ちだからな。
あとは活動するに当たって2ヶ月冒険者活動がないと
除名手続きがおこなわれるから注意してくれ。
あとはランクがあげるさいに試験があるからな。
それからルシファーってのはどいつだ?」
「我輩がルシファーなのだ」
ルシファーに視線を向けながら小さく声を発していた。
「まさかな。⋯⋯堕天使族と書いてあるが翼がないようだが?」
「もちろんおりたたんで隠してるのだ」
ピクリと眉をひそめるおっさん
「ダンジョンに潜ると言ってたがそんな装備で大丈夫か?武器もほぼ持ってないに等しいじゃないか。死ににいくようなもんだぞ」
「まあ深く潜るつもりはないから多分大丈夫だろ」
「まあ問題を起こさなければこれ以上の詮索はやめておこう」
ブロンズのカードをひとりひとりに渡していきながらおっさんは諦めたように遠くを見つめた。
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