赭坂-akasaka-

第8話 「燃える山」

男は少女と再び出会い、警察署の中を探索し、緊張が続く長い一日の疲れを癒すため、夜の訪れとともに眠りについた。

彼の心は警察官の行方や赭坂の謎についての思いでいっぱいであった。

その夜、男は奇妙な夢を見た。

夢の中で、男は再び火の坂に立っていた。しかし、今度は坂の先に広がる山々が燃え盛り、猛火に包まれているのだ。

赤く燃える炎が山々を飲み込み、空には濃い煙が立ち込めていた。男は息を詰め、驚愕と恐怖に包まれながらも、その光景を見つめた。

「うわぁあ」

山々からは異様な熱さが伝わり、男の肌は火傷するほどの熱さを感じた。

男は周囲を見回したが、人々の姿はなく、ただ燃え盛る山々とその猛火だけが男を取り囲んでいた。

男は足を動かし、山に近づくと、炎の中から人の声が聞こえてきた。

焦燥と絶望に満ちた叫び声が男の耳に響き渡り、心を打ち震わせた。

「助けて！助けてください！」

男はその叫び声に応えるため、山を登り始める。

しかし、どんなに頑張っても、足取りは重く、進むことができないのであった。

山の斜面が急で、炎の熱さがますます増していく。

汗にまみれ、息が苦しくなりながらも諦めずに男は登り続ける。

焦燥と絶望が胸を突き動かし、男は炎の中に飛び込む覚悟を決めた。

「い、いくぞ…」

しかし、男は夢の中で燃える山の光景に圧倒されながら、焦燥と絶望に包まれた叫び声が響く中、足を動かすことができなかった。

すると突如、山の頂上に突然セーラー服をきた少女が現れたのだ。

少女の姿を見ると、微動だにしなかった男の脚が急に動き始めた。

彼女は泣いているように見えたが、男が声をかけようと近づくとにやりと笑ったのだ。

その笑いが嫌に不気味で、男は驚き思わず声を上げた。

そうして体は後ろへ倒れていく、男は恐怖で目を閉じた。

「ぅっあ！」

男は驚きと不安を覚え、夢の中から飛び起きた。

汗まみれで息を切らせながら、男は周囲を見渡す。部屋は暗く、外からの静寂がただ広がっているだけであった。

「な、なんだ…」

息を荒くしながら、男性は汗まみれの顔を手で押さえながら部屋を見回した。彼の心臓は激しく鼓動し、夢の中で感じた驚きと緊張がまだ体を支配していた。

「た、ただの金縛りだ…脳が混乱している現象なだけだ…」

彼は深い呼吸を繰り返し、夢の中の出来事が頭から離れるように努めました。セーラー服をきた少女の表情に戸惑いながらも、男は自分が夢の中にいたことを忘れることができなかった。

男はなかなか長く落ち着かない状態だったため、床に腰かけてしばらく考え込むことにした。

「なんて奇妙な夢だったんだろう…」男は自問自答しながら、身体から徐々に緊張が解けていくのを感じた。

夢の中のセーラー服をきた少女の笑顔は、何か重要な何かを伝えているのかもしれないと考えた。

夢の中の光景を思い出し、身体中に残る火の熱さを思い出しながら、その意味を考える。

燃える山、焦燥と絶望に包まれた叫び声―――それは赭坂の村やその過去に関連しているのではないかと男は繋がっていく感覚を覚えていく。

夢の中で感じた衝動に従い、再び明日、火の坂へ向かうことを決めたのであった。