第3話 放課後
遂に私は.....放課後が来てしまった
授業が終わった後、私は清和君とまた会って
放課後に図書館で会うよう約束した
その後の授業は正直手がつかなかった
いや清和君以外にも、清和君を好いていた女子からの嫌味が凄くて.....それもうっとおしかったけど
遂に授業が終了して、放課後に入る
「ど、どうしよう.....」
「よっ!陸留。どうしたんそんな震えて。どこか調子悪いの」
「ふえ!?」
後ろから声が聞こえて咄嗟に振り替える
そこには藤原 伊豆がいた
藤原 伊豆という男子は私の幼馴染であり友達だ
その明るく能天気な性格から女子にモテており、よく私に連絡先を欲しいと言われる
この高校に来てから辛いこともあったけど、彼の明るさにどれだけ助けられたか.....
「伊豆ー。清和君って男子に勉強を教えてくれって頼まれて.....。で今から図書館で勉強を教えるところなんだけど.....。手が震えて、ドアが開けられない.....」
「.....」
それを聞くと、ちょっと伊豆はむっとした表情になった
一体どうしたのだろう
だが、それはほんの数十秒後でいつも通りの明るい様子に戻った
「緊張してドアが開けられない?そういう時はな.....俺は皆ジャガイモだと思ってる」
「じゃ、ジャガイモ?」
「そう、ジャガイモ。こう思うと皆おんなじ感じがして楽になるぞ。というか....勉強を教えるだけだよな?」
「えっ!?ま、まあ」
「じゃあ行ってこい。お前の頭の良さ、見せてつけて来い」
そう言うと、伊豆は私の目の前に手でグーのかたちを作る
「.....ありがと。少し勇気が出てきた。気休めに行ってくる」
「おう」
私は図書館の扉を開けた
「.....」
そこには無言で教科書をめくっている平君の姿があった
「ごめん.....待った?」
「ううん。全然」
「それじゃあ早速始めますか」
そこから勉強会が始まった
今思えば私は何を緊張してたんだろう
勉強会はとても順調に進んだ
普段のグループ授業のように意見交換しあいながら、勉強しあった
そして、私がこの勉強会で分かったことだが.....
「ああ.....ここの問題はこう解いていくのか。なるほど.....」
「う、うん」
清和君はとても要領が良いことだ
今日だけで数学は1年生の分野の基本は覚えたようだ
さすがに成長が早すぎる
これはもしかしたら.....とんでもない逸材じゃないかと思う
私の気のせいかな
私たちの勉強会は思ったより熱中して、6:30まで続いた
「もう6:30か」
「凄いね、清和君。もうここまで進んだなんて.....」
「そんな.....陸留の教え方いいからだよ。そうだ、この後さ帰るの?」
「え.....うん」
「良かったらさ.....」
そう言うと、清和君は身を乗り出してきて
私の顔を真剣に見つめて言った
「おすすめのクラブがあるんだけど.....寄ってかない?あ、お金は俺が出すからさ」
「えっ.....」
クラブ?
この学校にクラブなんてあったっけ
あるのは部活動なはずだけど.....
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます