第24話 最後の古代都市?
ーー 水の大地(またの名を水中の大地)
世の山を迂回し北の進むと切り立った岩場に出た、下を見ると碧く輝く海が見えた。
「セシル様私こんな大きな川を始めてみますわ。」
とカレンが言うにを
「カレンこれはね海というものよ、舐めたらわかるわ塩っぱいから。」
という私に
「セシル様いかに私がものを知らなからと嘘をおっしゃっているのは分かりますよ。これだけの大きな水を塩っぱくするなんて不可能ですわ。」
とドヤ顔で言うのを
「まあ下に降りて自分の舌で確かめるのね。」
と答えて下りる算段を探した、最悪クロに乗せて降りてもいいが馬がね。
暫くするとタロウが下に降りる階段を見つけた、何とか馬も降りられそうだ。
馬車を収納して慎重に約300mほどの階段を降りていく。
「あー、やっと降りれましたね。一時はどうなるかと気が気ではありませんでした。」
とこの旅で御者をしてる若いカールという男がぼやいた。
下に降りると馬車道ではないが舗装されたような道がありその海側は白い砂浜が100m幅で続いている。
カレンがすかさず、サーシャを誘って海の波打ち際に行き水を救って飲む。
「わーっ!塩っぱい!・・・ううう、セシル様のいう事は本当でした。」
と泣きそうな声で呟いている声が聞こえた。
「セシル様何故海というのは塩辛いのですか?」
「いい質問だが私にも本当のことはわからないわ、生き物は全て元を辿れば海の中で生まれたそうだ。それだけ色々な成分が海には含まれているのだろうし、我らも塩がなければ生きてはいけないのが海にいた証拠だとも言える。それ以上は生の神秘であろうね。」
と答えた。
そんな話をしていると海から何かが上がってきた。
「きゃーっ!」
カレンとサーシャが声を上げて逃げてくる、その後を魚のようなエラを持つ人?が浜辺に上がってきて。
「旅人とお見受けします、驚かせてすまないが助けてくれないだろうか?」
と頭を下げてそういった。
「何か訳ありのご様子、私で力になれるなら力になりましょうが、その理由を尋ねても。」
という私に向き直って
「私は水の民と言われる魚人族の者です。ここ数年海の水が濁り海洋資源と言える魚や貝が取れなくなり我が民は困っております。地上の民には教会ゆかりの者が「浄化」という女神のスキルを使えると聞きました。そちらにいらっしゃる女性の格好から教会の関係者ではありませんか?」
とシスターメイを見ながら言った。
するとシスターメイがこたえる
「確かに私は女神教のシスターで浄化の魔法も使えますが、これほどの大きさのものに浄化の効果を与える事はできますまい。」
「そうですか流石にこれだけの広さでは無理ですか。」
がっかりした感じの男のさらにシスターメイは言う
「しかしご安心なされませ。あなたは運がいい。こちらにおられる方は女神の使徒様であられます。きっと貴方の民をお守りくださりましょう。」
と答えたのだ。
私は自分の魔法を確認する、確かに浄化を持っているが果たして海にどれだけ効果があるのか、と考えた時に
「聞き漏らしていました、海が汚れた原因は何ですか?」
と言えば希望が見えたと喜びの顔を見せた男性が
「はい、毒を吐く海洋ヒドラが現れたのです。」
と答えた、原因があるにであれば何とかなりそうね。と思った私は
「それでは海に中ですか?貴方の言う水の民の都は?」
と尋ねると
「はい暫くお待ちください。今から都に立ち戻り準備してまいります、ここで1日ほどお待ちを。」
と言うと海に飛び込みあっ言う間に姿を消した。
「セシル様、海に毒を吐くヒドラが現れたと聞きましたが私とサーシャがこの水を飲みましたが問題ないでしょうか?」
と心配顔で聞く
「これだけの水ですもの薄まって問題ないでしょう。それよりここに野営の準備をしてください。」
と指示した。
ー 海の中の古代都市
次の日約束通りあの男が数人の仲間を連れて姿を現した。
「お待たせしました、準備ができましたので行かれる方はこれをお飲みください。」
とポーションのようなものを差し出した
「これは?」
「これは水の中でも呼吸ができる薬草を煎じたポーションのような物です、これで1週間ほど水の中で生活が可能です。」
「それは面白い。それでは私から」
と言いながらそれを一気に飲み干した。
うまくも不味くもないな。
その後馬車などやその世話をする御者を残して私達は男の後をついて海に中に。
「セシル様凄いです、海に中はこんなに美しいのですね。」
とカレンが言えば案内役に男が
「本来はもっと美しいのです。」
と悲しい顔をした。
2時間ほど海を潜ると海の底に大きな都市が見えてきた。
ー 海中都市ポセイドン
大きなシャボン玉のような膜を越えると、そこには空気が存在していた。
「息ができてはいたが身動きがうまくできず心配しいていたがこれなら問題ない。」
ジャインがそう言うと他のメンバーも頷いていた。
「こちらにどうぞ。」
と案内されたのはまさに竜宮城を絵に描いたような宮殿だった。
中に入ると美しい女性が10人ほど出迎えて
「はるばるご苦労様です。私がここの長をしていますブルーです、使徒様。」
そう言うと中央の女性があたまをさげた。
「お初みお目にかかります、セシルと言いますブルー様。お困りのご様子私後方が及ぶといいのですが。」
「はいよろしくお願いいたします、先ずはヒドラの退治にその後浄化をよろしくお願いします。」
と言いながら宮殿の奥に案内され、すぐにヒドラ討伐隊の会議になった。
「こちらからは水の中ということで、私とクロが参加しましょう。」
「貴方達は怪我をした人たちの対応をお願いしますね。」
と言いつけてクロと共にヒドラの元に。
ー ヒドラとの戦い
ヒドラのいる海底洞窟に案内された私、覗いてみるとかなり大きなヒドラ。鯨級の大きさがあるわね。
「どのように攻撃するのですか?」
と問えば
「ヒドラは戦いでも死んでからも猛毒を出します。できれば毒をどうにかできるといいのですが。」
と退治自体よりもヒドラの毒が心配なようだ。
「私がこの洞窟を結界で塞ぎましょう、その後対峙した後は燃やし尽くすのはどうでしょうか?」
「それはいい考えですが、どうやって燃やすのですか水の中ですよ。」
という魚人族に
「こうするのよ。」
というが早いか
「結界」「水収納」
と唱えれば洞窟内の水があっという間に無くなった。
「おおこれなら問題ない、いくぞ!」
と魚人族の戦士が突撃してヒドラとの戦いとなった。
毒を吐き出すヒドラ、このヒドラは首が3つある、同時にあれを切り落とし体にある核を壊さなければ倒せない。
苦戦している魚人族に
「後ろに下がって!」
と指示して
「氷結」
と唱えるとヒドラの身体が凍りつき始める。
最後の首が凍りつき動きを止めたヒドラにクロが近づき首を切り落とすと身体を真っ二つに切り裂いた、するとそこに核が見えた。
魚人族の戦士がそれにモリを打ち込むとパカッと割れた核と共に凍りついていたヒドラの身体が溶け始める。
私は
「煉獄の炎」
と唱えると、ヒドラの身体が地獄の炎に焼かれ始めあっという間に灰となった。
その灰を収納した私は海側に振り向き
「浄化」
「解毒」
と唱えた。
眩しい光が私から放たれ、海に中に浸透していく。光が通過した水は蒼く透き通り浄化されたのが分かった。
暫くすると見渡す限りの海の水が生まれ変わったように変わったのが分かった。
「これで大丈夫でしょう。」
私がそういうと魚人族の戦士が皆膝をつき頭を垂れて感謝の意を示した。
ー 海の幸を堪能する
綺麗に生まれ変わった海に水の民は、大いに感謝し私たちをもてなしてくれた。
やっぱり私は前世の記憶のためか海産物や海の幸が好きだ。
魚の塩焼きに刺身、貝汁にわかめの味噌汁、エビやカニの焼き物からウナギの蒲焼に似たもの、何故か昔の記憶を呼び覚ます味ばかり?
「ブルー様、これらの料理は昔から有るのですか?」
と聞けば
「以前ここを訪れた勇者なる者がこの調理法を教えたと伝えられています。」
と言う、そんなこともあったんだと思うがどうでもいいこと、美味しいは正義です。
沢山の海の幸をいただき私達は、陸へと帰った。
「主人様今回の旅はどこも面白かったですね。こんな旅ならいつでもいいです。」
現金なタロウがそう言った。
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