第22話 砂漠の民

ーー 古代遺跡を見つけよう


デオルダン国王の騒ぎの後私たちは、獣王王国にたちより大いに歓待を受けた。

その中でこんな話を耳にした。

「使徒様面白いお話がるのです。」

と歓待の席に居た初代獣王の孫であるシスターメイが次のような昔話を教えてくれた。


[獣人王国のその東に不毛の大地呼ばれる砂漠が広がっているが、その何処かに古代遺跡がありいまだにそこで生活している民がいる。砂漠を越える旅人が遭難すると度々その民が助けてくれると言い伝えがあるが、砂漠の向こうの王国が滅んだ後は誰も砂漠を越えようとしないため、今もその民がいるか誰も知らない。]


と言うものだった。

「その話面白いわ、言ってみましょう。」

そう言った私に私の共達は「何故?」と言う顔をしていたが

「旅には冒険がつきものです。いい思い出になるかもしれないし、砂漠なんか私の足を止める理由にはなりませんよ。」

と答えてここからそこに向かうことが決定した瞬間だった。


次の日わたぢ達は馬車の人になっていた。

目的地は当然「砂漠の古代遺跡と砂漠の民発見」だ。

私は馬車を引く馬達に昨夜

・耐乾燥

・耐熱

・身体強化

の果実を食べさせていたため馬達は少し興奮気味。


元気一杯に東に砂漠を目指して走り出した。


ー 不毛の大地


2日ほど馬車で進むと草木が少なくなり3日目には見渡す限りの砂丘に辿り着いた。

「ここが不毛の大地と呼ばれる砂漠ね。」

私が嬉しそうに言うと、クロが

「私めが空から様子を確認してきましょうか?」

と提案してきた、私はこのまま砂漠を走って探そうと思ったが・・・思い直して、

「そうね私の我儘に付き合わせるのだから、お願いするわね。」

と一旦その場所に腰を下ろして頃の帰りを待つことにした。


待っている間に幾つかの発見をした

・川や緑はないが地下を探ると温泉の水脈があった。

・地中に含まれる鉱物の割合が非常に高く、鉱物資源が豊かである

・魔物が少なく安全に生活できそうだ

ということだ。


「食べ物や飲み物さえどうにか出来ればここに人が住んでいてもおかしくないわね。」

という私にジャインが

「セシル様、温泉と言うのはセシル様の領地にあった温泉スパと同じものですか?あれとても気持ちいですよね、俺大好きです。」

と言うので

「簡単な温泉をここに作りましょうか、クロはまだ帰らないみたいですから。」

と言いながら土魔法で

地中の金属などを混ぜながら大きな湯船を二つ、洗い場をそれぞれにそしてサウナ用の箱を内蔵した建物を作り上げた。

「いつ見てもセシル様の魔法は規格外ですね。」

とカレンが言いながら湧き出した温泉を建物の横のタンクに流し込み始めた。


ー 入浴タイム



長旅の間温泉には入っていなかったそれ以上に湯船自体に浸かることはほとんどなかった一行は、久しぶりの温泉に皆はしゃぎまくった。

大人の女になったカレンやサーシャそれにシスターメイがその豊かな肢体を惜しげも無く見せながら湯船に浸かる。

私は少し心が沈む思いで一言

「私はまだ成長期が来てないのよ。」

と呟くとそれを耳にしたシスターメイが

「使徒様はいつまでも若くて美しい肌をしておられますね、羨ましいですわ。」

と、それを聞いた私が

「でもね老けないけど成長も遅いのよ。」

と愚痴をいうと

「やっぱりそうでしたか、言い伝えでは長命種には胸の小さなものが多いと聞いておりました。それが理由ですね、それなら気長に待てばいいだけですよね。」

と言ってくれた、その言葉が私の心の拠り所になるのはしょうがないよね。



ー クロの報告


そんな温泉三昧をしていた日の夕方、クロが帰ってきた。

「ご主人様遅くなりました、この砂漠は予想以上に広く回るのに時間がかかったのです。」

と謝罪しながら報告を始めた


[砂漠は形はほぼ楕円状で一番長い距離が100km、短い場所が50kmという規模で、オアシスなどの存在は見つけられなかった。ほぼ中央に岩山に連なる不思議な場所があり洞窟と思える穴をいくつか確認した。

砂漠にはほとんど緑はなく動くものすら確認できなかったようで、空から見た感じでは人がいる様子はなく古代遺跡があるなら砂の下か岩山だろうと言うもの]

だった。


「ありがとう、ご苦労だったね。温泉を作っておいたから入ってお酒でも飲んでゆっくりして、出発は明日その岩山を目指しましょう。」と労をを労った。



ー 砂漠の山


次の日クロの案内で砂漠の山を目指してさいたんるーとですすむ。

身体強化された馬達は元気よく砂漠の砂にも負けずに進んだ結果よすに反して1日で目的の山の麓に辿り着いた。


「ここでキャンプを張って明日朝早く山の洞窟を巡ってみましょう。」

という私の言葉に皆頷くとキャンプの準備をし始めた。


キャンプといっても私が開発した携帯用の魔道具や空間拡張のテントなど、家にいるのと変わらぬ装備に皆慣れていたので本格的なサバイバル的なキャンプはしないことになっていた。


次の日の早朝、朝日が山を神々しく照らす風景を見ながら山の中腹にあるという洞窟に向かった。

馬車が登れない場所だったので手前に土魔法で高い塀を作りその中に馬などを入れて飼い葉や水を置いて御者の男に面倒を見るように指示した。


山は人が出入りした様子がなく未知らしいものは見当たらなかったが、何故か私は人が住んでいる気がした、綺麗すぎるのである。


一つのどう口を見つけ中を見て回る、

「ここは何か倉庫のような洞窟ね。温度の涼しく感じるわ。」

私の感想にレイも頷く。

そんな洞窟を3つほど見た後、奥深い洞窟を見つけた。

50mほど曲がりくねった洞窟を進むと突然穴が終わっていた、違和感を感じた私は

「サーチ」

と探索の魔法を発動した

すると、穴の奥がありかなり深い場所の大きな空洞と多くの生き物の気配がしていた。

「この穴の奥があるわ、隠してあるみたいね穴を開けるからそこを開けて。」

と言いながら私は土魔法で人が通れるほどの穴を開けてもこう側に通した。

皆が向こう側にはいるとわたしはもとどおりあなをふさいで

「この奥の下の方に大きな街のようなものがあるわ、砂漠の民の街かもそれか古代遺跡かも。」

と言いながら皆に注意を与えて進むことにした。



ー 砂漠の民と古代遺跡



迷路のような洞窟を進み、階段を幾たびも降りた先に大きな金属製の門が姿を現した。

「この先が街のようね、開けてみましょう。」

と言いながら私は

「解析」

と呟く、これで門の開け方がわかるのだ。

「なるほど、試してみるわね。」

と言いながら手をもんに押し付けるように魔力を流すと、

「ごごごごー。」

と言いながら門が開き出した、そしてその奥に驚く人々の姿が。

皆を門の中に入れた後門を締め直して私は民の動静を見つめていた。


すると直ぐに武装した兵士のような男らが10人ほど現れた。

「お前達は何者だ?何故この門を開けられた?」

と問い詰める兵士

「私達は女神の使徒様の一行です、この世界に平和地豊かさを与えています。ここの代表の方に会わせてください。」

とシスターメイが代表して伝えると

「待っていろ。妙な動きはするなよ。」

と兵士が言うと数人が何処かに駆け出していた。


ー 砂漠の民とその祖先



暫く待たされていると、10人ほどがあらためて私たちのところに来た。

3人の古老が前に出て私を見つめた後

「成程確かに女神の使徒様のようだ。初めまして私がここ不毛の大地の長シルバーですじゃ。何もございませんがゆっくり滞在されてください。」

と言うと数人に何か指示をして姿を消した。

その後砂漠の民の案内で宿泊施設のような家に案内された、そこまでの道のりで街の中の様子がある程度わかった。

この街は多分古代遺跡で昔からそこに住む民が彼らなのだと。


宿泊施設の設備はとても快適だった、お湯の出る浴室にシャワーまで完備、トイレは水洗で台所には魔道具と少し違う調理器具が並んでいた、まるで

「システムキッチンやオール電化みたい。」

と前世の記憶にある装備の名を口にしていた私。


数人のメイドのような女性が私たちの世話を焼いてくれて快適な数日が過ぎた頃、

「長がお話があるそうだ、使徒様と3人ほど来てくれないか。」

と言うと使者が現れて私はタロウ、クロそれとシスターメイを連れて使者の後をついて行った。


「わざわざお越しいただきありがとうございますだ。ここに女神の使徒様が来られたのは数百年前に一度きり、しかもなかなか我儘な方であったにで今回もかと様子を見せてもらっていました。」

という長、どうやら以前来た使徒の評判があまり良くなかったようだ。


話によると以前来た使徒は

「世界の平和のために協力しろ、ここの富を半分出せ。」

というと無理やり強盗のように富を掠めていったそうだ。そりゃ警戒しますわね。

「しかし今度の使徒様はそんな様子もない、本物の使徒様に違いないと判断させてもらったのでございますだ。」

と謝罪しながら話してくれた。


そしてやはりここの街は古代の遺跡であり、古代から住み続ける砂漠の民と言うとが分かった。

「何かお困りはありませんか?」

というシスターメイの言葉に長は

「もし出来ることであれば、ここの畑を蘇らせて欲しいのですが・・・無理を承知で申しておりますじゃ。」

と言うのでその畑を見に行くと、広大な地下の畑が広がっていたがその中に植えられていた穀物や野菜は小さく痩せていた。

私は

「リサーチ」

と言いながら畑の状態や植物の状態を確認する。

どうやら長年の連作で畑の力がかなり弱っているのがその原因だった。

この畑は古代の魔道具と言える装置で全自動化されているのだが、ここまで土の力が弱ると手の施しようがないようだ。

私は収納している魔の森の腐葉土の量を確認した、大丈夫十分あるわ。

「それでは私がこの土を甦らせます。」

というと

「天地返し」

と呟きながら収納の土と畑の土を交換していったのだ。

その作業には3時間ほどかかったが、交換を終えると力の溢れる畑が姿を現していた。

「おお、これは見事な!大変ありがたいことじゃ。」

とその完成した畑を見た長が感動していた。


その後長から

「この世界には4つの古代遺跡がありますじゃ。ここが不毛の大地その他に

・空にあるという天空の大地

・火の山に中にあるという火山の大地

・水の中にあるという水中の大地

と呼ばれるのがその遺跡に名ですじゃ。ここに昔の地図がございます、これを差し上げましょう。どうぞお確かめください。」

と古い地図をくれた、地図を見ると中央に不毛の大地と書かれておりそこから北に

火山の大地その北に水中の大地そして点線でそれらを囲むように天空に大地と描かれていた。


「いいわね、次は火山の大地に行きましょう。」

という私に「やっぱり」という顔のタロウ。

「これでまた楽しみが増えたわね。」

と私は笑った。


その後街を出る際に長からいくつかのお土産をいただいた。

・オリハルコンの武器

・ミスリルの装備

である、女神の五指のメンバーが一番喜んでいたようだ、そこで私もお返しとばかり

・真っ白い小麦粉50トン

・砂糖5トン

・塩5トン

・香辛料5トン

を渡すと長を初め民がとても喜んでくれた。

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