短歌集1/天城らん

天城らん

書き下ろし 自然を感じて書いたもの

つぼみある落ちた小枝を捨て置おけず ビイドロの花器で夢を見させる

つぼみある落ちた小枝を捨て置おけず ビイドロの花器で夢を見させる



 今年の春、図書館の帰りに桜のつぼみのついた枝が落ちているのを見かけました。

 李の下に冠を正さずじゃないですが、これを拾っているところを見られたら、花泥棒に間違えられるかもと思い、見ないふりをして通り過ぎようとしたのですが、春を待って膨らんだ桜のつぼみがなんだか不憫で、戻って拾って帰りました。

 琉球ガラスの一輪挿しの花瓶にさしておいたところ、桜の花が咲きました。

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