倉庫清掃
キッコの街に到着した俺とミミは互いの魔法とスキルを活かし、重傷を負った人を元の日常に戻す活動を始めると決め、その話を聞いたキッコの街で果物屋をやっているダンカンさんが使用していない倉庫を俺達に提供してくれると言ってくれた。
そして俺とミミはダンカンさんの案内でその倉庫に向かっていた。
「しかし、本当にいいんですか?ダンカンさんの倉庫を俺達が使って」
「どうせ使っていねえ倉庫だし、取り壊すにも金がかかるから、誰かに使ってもらう方が俺も助かるぜ、もちろん家賃もいらねえ」
「何から何までありがとうございます」
「そりゃあこっちのセリフだぜ、怪我を治してもらったうえに、身体もちゃんと動くようにしてくれた。これで何もお返ししなきゃあ俺の寝覚めが悪いってもんだぜ」
3人で話していると建物らしきものが見えてきて、ダンカンさんが俺達に声をかける。
「これだ、まあ中に入れ」
そう促されて中に入ろうとしたが、倉庫の中に既に物はないが、汚れが目立ち、クモの巣も張っていた。
「ゲホゲホ!何だこりゃ!メチャクチャ、クモの巣が張っている」
「ゴホゴホ!このままじゃ何もできませんね」
「仕方ない、まずは掃除からだな」
「はい」
俺とミミが掃除する事を決めると、ダンカンさんが俺達に呼びかける。
「俺が長く放置しちまったせいだし、俺もやるぜ。とりあえず家から掃除道具を持ってくる」
ダンカンさんはそう言うと自分の家から掃除道具を取りに行った。
しばらくしてダンカンさんが掃除道具を持って来て、俺達は役割分担をして掃除をする事とした。
俺達はホコリを吸わないように口と鼻を布で覆い、ダンカンさんはクモの巣を取り除き、俺とミミは壁や窓を布で水拭きをしている。
繰り返しバケツで布を絞り直していると水が汚れたのに気付いたミミが水を代えに行こうとする。
「じゃあ私、お水を代えてきます」
「待て、ミミ、そのバケツは重いだろう、俺が行くよ。ダンカンさん、水はどこに捨てて、どこで入れてくればいいですか?」
「街中に地下の下水道があるからそこに捨ててこい、新しい水は井戸からくめる」
「分かりました」
ダンカンさんの言うように俺は下水道に水を捨て、井戸から水をくむ。そういった作業を繰り返し、休憩時間にはミランダさんが用意してくれた軽食、サンドイッチのようなものを食べて、そして夕方を迎えると……。
「やったーーー!掃除終わりだ!」
「やりましたね!」
「また物の配置とかをしないとだけど、それはまた明日にしよう」
「そうですね、今日はもう疲れました」
残りの作業はまた明日にする事とした。
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