共同作業の提案
儀式によりリーザに宿りし魔力を我がものとしたジェファーであったが、儀式の反動で魔力と体力を大きく消耗してしまう。
ジェファーを倒す好機と捉えるギン達であったが、ジェファーは一時撤退を宣言する。
「そうは言うが、はい分かりましたと俺達が許すとでも思ったか?」
「フフフフ、分かってないのはお前達の方だ、ブリック!」
「はっ!」
「お前の転移魔法で私を城まで転移するのだ!お前の魔力なら私とお前の同時転移は可能であろう」
ジェファーは自らの消耗した魔力では転移魔法の使用は不可能と判断し、ブリックに転移魔法での撤退を命ずる。
その話を聞いてブライアンが抗議をする。
「部下が命がけで戦ってんのにてめえだけ安全な場所に逃げるのか!」
「私がそんな煽りで撤退を止めると思ったか愚か者め、それに撤退準備なら奴らもしている」
「何⁉」
ジェファーの言葉を聞き、ブライアンがピッキーとアルドのほうに目をやると彼らはお互いの距離を詰めていた。
「さ、あたい達も逃げよっか、もうあたい達が手を下す必要はないからさ」
「……剣士よ、できれば俺の手で貴様を葬りたかったが我ら魔族はジェファー様をお守りしなければならないからな」
ピッキー、アルドがそれぞれ言葉を放つと、ジェファーが声高らかにギン達に呼びかける。
「そういうわけだ!せいぜい私の魔力が回復するまで恐怖で震えていろ!絶望と恐怖の中にいるお前達を滅ぼす事こそ我が至福なのだ!」
ジェファーがそう言うとジェファー達は転移魔法でその場から一瞬にして姿を消した。
「くそ!エイム、奴らの魔力は?」
「ダメです、追えません!」
エイムが魔力を感知できない程遠くに行ってしまった事を実感したギン達は一瞬呆然とするが、ブリック達の魔力が切れ、アンデットと石の魔物も消失する。そしてエイムが一同に呼びかける。
「あ!リーザさん、リーザさんは⁉」
エイムの言葉を聞いてルルーがまっ先に倒れこんでいるリーザに駆け寄りリーザの脈を測る。
「大丈夫よ、生きているわ」
「そうですか良かったです」
「だけど、一気に魔力を消費して疲れ果ているみたい、このままじゃ衰弱してしまうわ」
「そんな!どうにかならないんですか?」
エイムの問いかけにルルーは方法がある事を伝える。
「私の魔力を少しだけ与えてみるわ、そうすればとりあえず起き上がる事はできるはず」
「そんな事できるんですか⁉」
「まあ、まあ任せて」
そう言ってルルーは呪文の詠唱を始める。
「我を加護し神ミッツよ、わが信仰と力を糧に我の望みに応えよ。彼の者に我が力の一端を与え給へ、
ルルーの魔力がリーザに与えられる!果たしてリーザは!
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