おかしなおうち
暗緑色の 森の中
澱んだ淵の その先に
マホガニーの扉がひとつ
引きずるように
開けると そこには
ひとりの魔女が
孤独を抱えて 暮らしていた
ある日 彼と彼女が訪れる
本当に 扉のほかは
お菓子なんだね
2人は感嘆の声をあげ
チョコで出来た 柱を撫でる
魔女は 彼らを招き入れ
長い爪を 光らせながら
澱んだ笑みで 囁いた
おまえ達を うーんと太らせ
まるまるにして
あとで美味しく
頂くためさ
いや これから
うーんと太らせるのは
ちょっと効率
悪すぎませんか
彼が爽やかに そう言うと
お屋根のクッキー
砕いてタルトに
クリームチーズとヨーグルト
レアチーズケーキなんて
どうかしら
彼女がすかさず 代替え案
お店の名前は
魔女のチーズケーキ屋さんで
どうでしょう
宣伝は
全てこちらに任せてください
かくして孤独な 森の魔女
かまどで焼かれることもなく
隠れ家お菓子のカフェとして
郊外からも 大人気
めでたし めでたし
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます