相棒

段ボール箱に 入れられて

生後ひと月で 家族になった


まだおすわりも ふらふらで

耳が垂れてて 柔らかい


お鼻まわりは まっ黒くろすけ

あとは茶色の 天使だった


仲良くいっしょに 大きくなった

お散歩も 私の時がいちばん長く


四月の桜 並木道

茶色の垂れ耳 花びら跳ねて


頭をなでなでする時の

くしゅっと瞳を 細める姿


胸が詰まるくらいに

大好きだった


お鼻のまわり 気付けば白く

でも舐める仕草は 昔のまま


今も 手のひらには

あの子の生きた証が ほら


心がぽうっと 灯されるような

温かくて柔らかな感触が


ゲームで名前が 入力可なら

相棒は 

迷うことなくあの子の名前


今も一緒に 冒険中

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