かはたれどきの丘陵に【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部】

おくとりょう

胸濡らす 私の愛はアルコール 火照るシーツに滴り流る

 愛はアルコールみたいだと思います。

 火に例えられることが多いですが、私は液体だと思っています。もちろん、燃えるような熱を発することもありますが、普段は水のようにさらさらと流れる無色の液体。

 それが突然とめどなく溢れだすこともあるのですが、それでビショビショに濡れてしまっても寒さに凍えることはありません。むしろ、ほんのりあったかい。肌が朱く染まるほどには。

 そんな微熱に浮かれされぼんやりしていると、いつの間にか、消えてしまう。胸の奥はまだ温かいし、肌にも火照りは残っているのに、もうちっとも濡れてはいない。そんな感じがして、愛はアルコールに似ているなぁと思いました。

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