夏休み茅葺に咲くスカシユリ手折りたいのに手折れぬまま

父の実家は茅葺屋根の古い家でした。

その茅葺には、毎年オレンジ色の百合の花が咲くのです。

その百合が大好きで、梯子に登って取ってしまいたいという衝動と、そこにあるから美しい取ってはいけないという気持ちが常にありました。


その思い出の家は建て替えで壊され、もう二度とあの百合には会えないのです。

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