第186話 青


窓から見る空があまりにキレイで

手を伸ばして届きたくて

それでも触れるのはガラスの温度

冷たさが哀しくて

せめて風でも感じたいと

錆びた鍵に手をかけるけど

1ミリたりとも動かずに

閉ざされていることを知る

きっと空へは行けないけれど

憧れながらじっと見る

その透き通るような澄んだ色を

ぽつんと取り残された月を

いつか届くだろうかと

この手に触れるだろうかと

見上げるこの目に映るのは

どうしようもなく儚い青だった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る