第147話 空の顔


朝から重い曇り空

うつむき加減で歩く人波

水面に映る空の顔は

ちょっと不機嫌

きっともうすぐ泣き出しちゃう


横目でそれを見ながら

仕方ないよ、と思う

泣いちゃうときもあるし

笑っちゃうときもある

たぶんそういうものだ


そしてそんな不機嫌ヅラを

呑気な鴨の親子が横切った

容赦なく波紋は広がり

ブサイクに歪んだ顔を見て

ほんの少し笑った

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