第134話 降り積もる


無愛想な曇り空が

辺りを覆い尽くした頃

冷えた指先擦り合わせ

窓の外を眺めるの

いつも通りの町の景色が

なぜか他人行儀に見えて

無意識に吐き出した息が

白く空気へと溶けてゆく


結露に濡れたガラスに触れて

その温度を確かめる

閉じ込められた姫みたいでしょ

私が?それともこの町が?

窮屈だとは感じるけれど

出してくれとも思えずに

ただ無気力なまま過ぎていく

時間だけが降り積もる



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