第129話 冬の記憶


冷たい頬に手を当て

冬の風を感じて

まだ早い朝

白くなる息を見つめる

幼い頃はそんなことすら

世紀の大発見のようで

キラキラ輝く

宝物みたいだった


もう吐く息の白さなんて

不思議でもなんでもない

寒さに震える

ただのくだらない大人だけど

こんな寒い朝だから

少しくらいいいかな

子どもだった頃に

戻ってもいいかな

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