第76話 誰もいない部屋
誰もいない部屋
呼吸音さえ響き
妙に耳につく
時計の針が揺れる
今はただここに
在ることを刻む
この頼りない体
意識だけ鮮明で
慣れたはずの暗がり
深く胸に沈み
閉じた目の裏に
微かな光が飛ぶ
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