第74話 秋空
空を流れる雲のように
変わらないものなんてここにはない
その一瞬一瞬をたぐりよせ
なんとか確かめる形は
時を待たず霧散して
残された頼りない手の
失われた温度を求めるみたいに
ただひたすら求めたぬくもりは
きっと愛というものに似た
不確かで無責任な感情
それこそが日毎にころころと変わる
無慈悲な秋の空のようで
せつなくも美しい
澄んだ青い空をただ見つめる
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