第25話 陽炎
コンクリートから立ち上る熱が
目に見える世界を幻に変えて
ただ僕だけがこんな
現実に取り残されてしまいそう
行かないでと縋ろうにも
キミさえもここにいない
ゆらゆらと揺らめく陽炎に
手を伸ばしては振り払われ
崩れ落ちて膝をつく現実が
ただ夢であることを祈る
圧倒的無力
夏の日の幻
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