第20話 曇天
生々しいほどに生を放つ緑の匂いと
街の片隅で朽ち果てた乾いた雑草と
どちらを嫌悪するのかと自身に問う
何よりも自分がキライだった少女は
それを認めたことでどこか解き放たれ
初めてまっすぐ立つことができるのだろう
重苦しい曇天の下だったひとり
真っ赤な傘をくるくると回しながら
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