第10話 浮遊感
ふわふわした浮遊感
動いている自分を
ほんの少し上の方から
別視点で見ている感覚
ここにいるのにいないような
自分だけが遠くにいるような
切り離されていく感覚に
何度か瞬きを繰り返し
雲の中消えていく飛行機が
まるで幻みたいで
握る手に力を込めて
ここにいる自分を確かめた
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