第5話 公園
寂れた公園
揺れるブランコ
鎖の擦れる音が耳につく
荒れた砂場
年季の入ったベンチ
背中を丸め座る
ざわめく木々は
簡単に思考を過去へと誘う
くり返しくり返し
走馬灯のように流れる記憶
真実かどうかなんて
くだらないことだ
風が抜けていく
ここにはまだ誰も来ない
あの頃確かに存在していた
若い喧騒など何もない
何かを求めて歩く鳩
その羽のじっとりした光沢
ぼーっとそれを眺めながら
今、たぶん永遠に触れた
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