第3話 明日の来ない部屋

さよならが

鉛を飲み込んだように

まだ胸に残っている


もう君に会えない

ただそれだけで、僕は

こんなにも切なくて


昨夜の空気が

まだ残る部屋に

窓を開けて

朝を迎え入れてみる


風が歌っている

雲が流れている

小鳥たちの囀りが聞こえる


この星は 

今日もまわっている


いつもと同じように

まるで何ごとも

無かったかのように


この部屋の

後悔だけを

ただ置き去りにして


遠くでスクーターの音が響く


もう街は

目覚めようとしている


深呼吸して

朝の空気を吸いこみ

モヤモヤしたものを

吐き出そうとしてみる


でも空っぽの肺には

君に会いたいって

それだけが残って


朝陽で空が輝いている

また新しい一日が

始まろうとしている


この部屋の

溜息を

また僕だけを

置いてきぼりにして



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