第22話 かにの日/『一心不乱にかにのみ食す』

旅館の夕食バイキング、隣は初老の男女4人だった。

セルフのビールサーバーと席の往復のみで、皆無言で貪っている。

「どれも美味しいね」

セパレート皿に華やかに盛り付けて、笑顔で頬張る彼女。

かに食べ放題が売りだから、あっちの方が元は取れる。

山盛りの蟹脚の殻を見て、「だけど……」と思う。




◆6月22日は「かにの日」/2023年6月22日作

#140字小説『一心不乱にかにのみ食す』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る