時にはプライドを捨てることも必要


  *


 人間として、年齢を積み重ねていくと、わかってくることがある……気がする。


 その中のひとつが「凝り固まったプライドを捨てる」ということだ。


 例えば、今、売れているライトノベルには「味がない」と思う人が、いるとする。


 でも、それで購入層ガン無視な「自分の味を出そう」とすると、たいてい失敗する。


 なぜか……?


 ある「モノ」を売るとき、売るためには「企画力」というものが必要だからだ。


 自分の好きなものを書くのはいいのだけど、そのためには「読者に届ける力」がなくてはならない。


 ――どうして、こういう作品が売れているのだろう……?


 ……と、考えて、売れている書籍のランキングを見る。


 そのランキングから気になったモノを購入して読んでみる。


 そして分析するのだ。


 その分析を活かして、自作に取り入れていく。


 そういう繰り返しをしながら、物書きの活動を続けていくのだ。


 大半が失敗することだろう――実際、自分は失敗の連続だ。


 だけど、続けることで、なにか見えるものがあるかもしれない。


 その自問自答を何回も何回も繰り返すしかないのだ。


 自分が生きていこうとする業界はエンターテイメントの業界なのだから、その業界を分析して、答えを見つけるしかない。


 自分ならではの味は、その中で見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。


 そうして、やっていくしかない。


 自分には、なにが足りないのだろう。


 自分が、わかるときは来るのだろうか……?


 わからない。


 けど、やっていくしかない。


 そんなことを思う毎日です。


 自分の中にある憧れをチューニングしていき、その憧れを加工しながら、うまく形にできるといいね。


 自分の色を出すのは、そのあとでもいいか……。


 最近は、そんな思いを抱えています。


 いつか本当に、うまく形にできるといいね。

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