第3話 余命6日②
そして、俺は学校についた。
入院していたため暫く来ていなかったので道中道に迷うところだった。
まぁ結果迷わずこれたんだが……
クラスメイトのあいつらは元気にしてただろうか?
俺の事を忘れてないだろうか?
そんな不安が頭をよぎったがそれは教室に入るとすぐに消え去った。
「あ!皐月じゃん!久しぶり〜学校を休んで何してたの?」
俺に一番に話しかけてきた女は幼馴染の京香だ。
「あぁ久しぶり。いや〜ちょっととある事情で遠いところに行ってたんだ。」
俺は嘘をついた。流石に久しぶりに再会した幼馴染に
俺……あと少しで死ぬんだ。と言える程俺は冷たくない。
いずれ打ち明ける時が来るがそれは今じゃない。
「遠いところに?それは大変だったね〜」
深く聞いてこない辺りこいつなりの気遣いなのだろうか。まぁその方が都合がいいが。
「ところで志野の姿が見えないんだが。なにか知ってるか?」
志野は俺の友人だ。
こいつは少し……いやかなりの厨二病だ。
自分の事を霊能力者と思っているらしい。
だが志野といると何故か話の話題が無くならず永遠に話せるのだ。
「志野さんは確か図書室にいるよ。」
「あぁそうか。じゃあ行ってくる!」
「えっちょっともう授業始まるって!」
俺はそんな京香の言葉を無視して図書室に走った。
授業なんて受けるだけ無駄だしな。
そして俺は図書室についた。図書室には机の上で本を読む人物が一人居た。
「おい!志野!久しぶりだな。」
「えっ皐月さんじゃないですか!久しぶりです。ここに何しに来たんです?もう少しで授業が始まりますよ?」
「やっぱり相変わらず敬語なんだな。俺は授業をサボりにきた。志野もサボるのか?」
「はい。私はこの霊能力の本で勉強するので。」
「やっぱり厨二病のところも変わらないな。」
「何回も言ってますけど厨二病じゃないですからね。前に魂を取り出す方法を教えたじゃないですか。」
その方法とは魔法陣を書き、呪文が書かれた御札を自分に貼るという方法だ。もし、本当に魂が出たらヤバいからやったこと無いが。
「あんな話誰が信じるっていうんだ?」
「じゃあやってみたらいいじゃないですか!抜け出た魂は何処かに飛んでいきますけど……魂がなくても10分は動けますよ。」
「結局死ぬじゃないか。他に証明する方法はないのか?早い所厨二病と認めたほうがいいんじゃないか?」
「ほら!後ろに幽霊が!」
「だ〜か〜ら信じるわけ無いだろ?」
そんな感じで志野と話して居るとあっという間に昼休憩になってしまった。
やはり志野とは永遠に話してられるな。
「あ!もう昼休憩ですか!一緒に学食食べに行きましょう!」
「そうだな。行くか。」
俺達は学食を食べに食堂に向かった。
そこには京香が待ち構えていた。
「2人とも。授業をサボって2人きりで何をしてたの?」
何だろう。凄い殺気を感じる。これは相当怒ってるなしかし何故京香は怒ってるんだろう?京香が怒るところあったか?
「あの〜京香さん。なんで怒ってらっしゃるんですか?」
「いや……私怒ってないよ。ただ2人きりで何をしていたか気になってるだけだよ?」
怒ってないという台詞は怒ってる人が言う台詞なんだよ。
「え〜と2人で図書室で話してただけです……」
「本当に?」
京香は志野にも聞いた。
「はっはい!本当ですよ!」
「まぁ志野さんがそういうんだったら本当か……」
どうやら信じてくれたようだ。俺は一安心した。
「気を取り直して久しぶりに3人で学食を食べようぜ。」
俺達はその後、学食を食べ終えるのだった。
やっぱりこの2人と一緒にいると楽しいな。
これが永遠に続けばいいんだがな。
「久しぶりに3人で食べる学食は美味かったな。」
「そうだね〜ってもう5時間目始まっちゃう!急がなくちゃ!今度は2人共!サボらせないよ!」
俺達は京香に強制的に教室に入れられるのだった。
そして俺達が席に座ると同時に授業開始のチャイムが鳴った。今度は流石に志野もサボらないだろうな。
まぁ俺は授業中バレないように寝るんだがな。
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