熱帯夜網戸の向こうのあけ色に融けゆく星を見失うまで
寝苦しくて目が覚めて、二度寝したいのにできなくて、のそりと身を起こす。ろくに風も入らない開けっ放しの窓の、その向こう。熱帯夜に取り残された星がひとつ、夜明け前の薄緋の中でかすかに瞬いていた。
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