第41話 頭に「る」のつく映画といえば?

 映画「ルール」について。


 頭がビデオカメラの「映画泥棒」のようなマナー違反の話ではなく、映画の規則や決まり事、という意味でもなく、「ルール」、そういうタイトルの映画があるのです。


 というわけで頭に「る」のつく映画で紹介したいのが、「ルール」です。


 1998年のアメリカ映画。監督はジェイミー・ブランクス、出演はアリシア・ウィット、ジャレッド・レト、レベッカ・ゲイハート、ロレッタ・デヴァインほか。


 原題は「Urban Legend」。都市伝説、という意味ですね。


 女子大生のナタリーの通う大学は、「かつて、狂った大学教授が寮の生徒を全員殺した」というおそろしい都市伝説が広まっていました。


 そんな大学で、都市伝説に見立てた連続殺人が起きます。


 ・車の後部座席には斧を持った殺人鬼が潜んでいる


 ・ルームメイトがいる部屋に真夜中帰ると、部屋は真っ暗。起こすのも悪いかと電気を点けずに寝ると、翌朝ルームメイトは死体で発見され、壁には「電気を点けなくて命拾いしたな」の文字。帰った時には既に殺人鬼が潜んでおり、ルームメイトを殺していた


 ・夜、木の下に車を停めていると、天井から音がする。不気味に思って車を飛ばして逃げると、後ろには木の枝に首吊り死体。車を踏み台代わりにして首吊り自殺していた


 ・濡れた猫を乾かすために電子レンジに入れて電源を入れ、猫を殺してしまう


 ・夜中、ライトが消えている車に、ハイビームを向けて教えてやると、死ぬまで追いかけてくる


 これらの都市伝説になぞらえて、ナタリーの身近な人物が次々と殺されていくのです(可哀想に、猫も犠牲に)。


 大学教授役で、「エルム街の悪夢」のフレディでおなじみのロバート・イングランドが出演しているし、いかにもウラがありそうな怪しい素振り、絶対なにかある!と思いきや、途中で殺されちゃいます。


 あとはまあ、定番パターンで、「連続殺人事件は意外なヤツが犯人でした!」という流れのホラー映画なんですけどね。


 この作品、続編があります。2000年の「ルール2」 (Urban Legends: Final Cut)。


 女子大生・エイミーが主人公で、卒業制作にホラー映画を撮ろうとして、またしても都市伝説になぞらえた殺人が起きるという話。終盤で明かされる、1作目との意外なリンクもワクワクします。


 で……私が個人的に語りたい本題は、ここから。


 ビデオスルー(日本では劇場未公開作品)で、「ルール3」「ルール4」「ルール5」「ルール6」って、6作目までナンバリングタイトルがあるんですよ。


 そんなに続編出てたの?って思う人もいるかもしれませんが、実は、「ルール」「ルール2」までが正式な続編で、「ルール3」以降は、日本発売時に販売側が勝手につけたタイトルで、内容はまったく関連性がないんですね。


 2002年の「ルール3」(原題:Wishcraft)は、三つの願いを叶えてくれるマジックアイテムを手に入れた男子高校生ブレッドが、学校で一番美人のサマンサを恋人にしたい!と願ったらそれが叶うんですけど、周囲で不気味な連続殺人が発生する、という内容。


 同じく2002年の「ルール4」(原題:Glory Days/Demon Town)は、作家のエディが里帰りした故郷で不気味な殺人事件に巻き込まれ、友人の保安官と捜査していくというミステリー。もはや、映画ですらなく、おそらくはアメリカのテレビドラマを数話分、編集で繋いで「映画っぽく」パッケージとして売っているだけです。


 2003年の「ルール5」(原題:Hangman’s Curse)は、いじめられっ子の呪いで奇怪な事件が起こる学校で、調査のために雇われた超常現象捜査専門の家族チームが、学校に潜入調査していく話。子供は転校生として、お父さんは用務員として、お母さんは通信などバックアップで……「X―ファイル」要素を含んだ家族版「スパイ大作戦」かな?


 2005年の「ルール6」(原題:TAMARA)は、事故で死んだ内気な女子高生・タマラが魔法の本のおかげで蘇り、その事故の原因を作った6人に魔法で復讐していくというもの。

 どっちかというと「殺人劇に巻き込まれるヒロイン像」ではなく、「特殊な力でいじめっ子に復讐するヒロイン像」という、「キャリー」に近いのかも。なんにせよ、「ルール」シリーズとは全然関係ないし。


 なんかもう、知らない人は「12モンキーズ」とかみたいに、タイトルの一部と思ってるんじゃないじゃないですかね、この数字。


 まあ、なんだかんだ言っても……これから先「ルール7」とか「ルール8」とか出るのであれば、「どうせ中身は全然関連性がないんだろうなー……」と思いながらも、一応は見てしまう気がします。それが私。


 今回、これを書くにあたって、ネットで調べ直したら、2005年には「ルール 封印された都市伝説」(Urban Legends : Bloody Mary)というタイトルで、「Urban Legend」の正規の続編(3作目)が作られてたんじゃん! 知らなかった! ごめん、これから見るよ!


 というか、本家のシリーズ続編タイトルなら、どこかに「3」って数字を付けようよ!

 あーもう、ややこしい!


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