第31回 頭に「ま」のつく映画といえば?
夏と言えば、鬱陶しいのが、「カ」や「ハエ」ですが。
蚊取り線香などでお馴染み、殺虫剤のメーカー「フマキラー」は、ハエやカを殺す、ということで、フライとマスキート(=モスキート)をキルする、ので頭文字をとってフ・マ・キラーが社名の語源だそうですよ。
そんな雑学で始まりました。
さて今回、頭に「ま」のつく映画、「マッキー」を紹介します。
「マッキー」は、2012年のインド映画。
監督はS・S・ラージャマウリ、出演はスディープ、サマンサ・ルス・プラブ、ナーニほか。
ラージャマウリ監督は、近年の「RRR」でも知られていますね。
貧しくても心が清い青年・ジャニは、家の向かいに住む美人の慈善活動家・ビンドゥに想いを寄せています。
一方、表向きは建設会社の社長で、裏ではマフィアの顔も持つスディープもまた、ビンドゥに夢中でした。スティーブじゃなくて、スディープね。すでぃーぷ。間違えないように。
ある日、ジャニは勇気を出してビンドゥに告白し、2人は両想いだと分かります。
しかし、それを知ったスディープは激怒。
ジャニを誘拐し、殺してしまいました。やることが極端なオッサン。
せっかく、好きな人と想いが通じたのに、殺されてしまうなんて……無念の中、死んだジャニの魂は、ハエの卵に乗り移り、小さなハエとして転生します。
転生ものですよ。
「インドで悪党に殺された俺はハエに転生して恋人を守ってみた」とかラノベのタイトルになりそうですか? なりませんね。すみません。
殺された恨みを晴らし、想い人のビンドゥを守るために、小さなカラダでスディープに立ち向かうのでした!
主人公が「CGで描かれたハエ」という前代未聞のインド映画。
コメディなアクション作品であり、もちろんインド映画らしく歌もあります。
ハエに生まれ変わった主人公は、「ハエ視点」で、人に踏まれそうになったり、飛んできたテニスボールにぶつかりそうになったり、小動物に怯えたりといったスタート。毎日が命の危機です。
スディープの家に辿りついて「自分を殺したのはコイツだ」と思い出し、復讐を決意。
顔の近くでブンブン飛び回る、耳の中に入る、寝ようとすると近くで飛び回って不眠に追い込む、など「虫にやられたらイヤなこと」を次々と実践して、スディープの精神を疲弊させていきます。
車を運転中、スディープの顔の周りで、ブンブンと飛び回り、目に飛び込んで、交通事故を誘発しました。地味だけど効くなあ。
車のフロントガラスに、ハエとなったジャニは「I WILL KILL YOU!」と書いて予告。
それを見たスディープはすっかり怯えてしまいます。
ハエに殺害予告される人生。ハードです。
また、ビンディを見守っていたジャニは、彼女がこぼした涙を使って、「I AM JANI」「I AM REBORN」と書き、彼女に「目の前のハエはジャニの生まれ変わりだよ、僕だよ!」と知らせると、ビンディは怖がるわけでもなく「また会えたのね、良かった!」と笑顔ですんなり受け入れちゃいます。
好きだったカレがハエになっているというのに、葛藤もなく、素直に喜んでしまうビンディの精神も、なかなかのものです。
虫フェチ系女子なのかな。
元々、細かいアクセサリーなどを自作していた器用なビンドゥは、ハエとなったジャニのために、殺虫剤防御ゴーグルや、金属製のカギ爪などを製作して、共にスディープへ復讐しようと協力してくれるのです。
監視カメラの映像から、ビンドゥがハエに協力しており、ハエの正体はジャニだと気付いたスディープ。
ジャニの報復は……祈祷師を呼んで、ジャニの魂を元に返すこと!
さてジャニはどうなるのか、ビンドゥもジャニを救えるのか……という感じで盛り上がります。
私も色々と映画を観てきましたが、ハエが主人公のラブストーリーというのは、この作品以外に観たことがありません。
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