第5章105話:案

「おりゃあっ!!」


気合いの叫びとともに、私はゴレムソードをケンタウロス・クイーンの腹に叩きつける。


しかし。


「!?」


ケンタウロス・クイーンの腹筋にゴレムソードが食い込むも、肉を切り裂くには至らず、押し返されてしまった。


「なっ!!」


斬撃が通らない!?


私はショックを受けたまま、地面に着地する。


そのとき、ケンタウロス・クイーンの前脚が私を蹴り飛ばそうと迫ってきた。


「う!!」


慌てて避ける。


転がるように横に跳んで、なんとか回避に間に合った。


「ふう……」


危なかったぁ……!


冷や汗をかく。


回避が遅れていたら、馬脚に蹴られていたところだ。


あんな巨大なケンタウロスのキック力なんて、想像を絶するだろう。


間違いなく即死だったと思う。


(落ち着け、落ち着けぇ……!)


と自分に言い聞かせる。


戦闘においてパニックになったらまずい。


とりあえず状況を整理しよう。


(攻撃が通らなかった……)


ケンタウロス・クイーンに攻撃を当てたが、ダメージを与えることはできなかった。


物理攻撃が無効化されていた……という感じではない。


単純な攻撃力不足だと思う。


というのは、次に必要なことは攻撃力強化だ。


(そういえば、ポーションがあったね)


途中で拾った攻撃力上昇ポーション。


――――【攻撃力ポーション・大】。


これを使う手が考えられる。


だが、それだけで足りるだろうか?


たぶん、足りない。


なんとなくそう感じる。


(スキルも組み合わせたらどうだろう?)


と私は考えた。


攻撃力の高いスキルといえば【強刃撃】だ。


(強刃撃とポーションを組み合わせる……)


うん。


いけそうじゃないかな?



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