第34話:アミリアの成長
シャリアのオススメされたお菓子をアミリアに見せると、アミリアは少しだけで良いと言い始めた。
「どうしたんだ? 珍しい」
「最近公務で孤児院に行くのよ、そこでは戦争で親を亡くした子達を面倒見ているの」
アミリアはどこか寂しそうな眼をしている。
「そんな子達と私をつい比べてしまうのよ、私はユウキに出会えた。出会えたからこうして特別な暮らしをしている、そうじゃ無かったら
そう語るアミリアの目が昏く濁って行く。
「だから、私は少しで良い。その分を食べられない子達に回してほしいの……」
そう言って顔を上げたアミリアは以前よりも、聖女らしさが増していた。
「そうか、それなら問題無いよ」
「え?」
「だってお店の商品とことん買って、孤児院に配布してきたからね」
そう言うとぽかんとした表情を浮かべるアミリア。
「だからこれはアミリア用のお菓子だ、遠慮なく食べていいよ。さっきレナ達にも差し入れしてきたし」
本当の所はリリアーナとレナがシャリアによるお茶会をするとの事だったので、あげてきたのだ。
「そっかぁ……流石ユウキだね」
ふにゃりと浮かべた笑顔を浮かべたアミリアの頭をつい撫でる。
「!?!?!?!?」
「あ、ゴメン。嫌だったよね」
手をどかそうとすると素早くアミリアの手が伸びてきた。
「最近頑張ってるから……撫でて……」
「そっか、そうだよね」
そうしてベッドに横たわるアミリアの頭を撫でていると、いつの間にか寝てしまった。
するとアミリアの部屋の扉がノックされ、メイドさんが入って来た。
「カミナギ様、ノクタール様がお呼びです」
「そっか……じゃあアミリアに書置きをしてっと……今いくよ」
「では、こちらです」
傍らに書置きを置いて、メイドさんに連れられ部屋を出た。
◇◆◇◆◇◆◇◆
メイドさんに連れられ会議室に入るとそこにはノクタールさんとマリアンが座り、テラスの方ではリリアーナさんとレナがシャリアと共にお茶を飲んでいる。
「さて、いらっしゃい。急に呼び立てて申し訳ないね」
「マリアン様が居るという事は諸々わかったという事ですか?」
「はい! 優希さんの世界の神様に聞いてきました!」
「わかったよ、それじゃあまずは。その事を聞こうか」
マリアンへ促すと、マリアンは魔石の様な結晶を取り出した。
「これを見て欲しいとの事です」
そうして置かれると、SF映画である様なホログラフィックが投影された。
『やほ~優希君、また今回も巻き込まれちゃったみたいだね……』
そこには
『まぁ、報告する事は沢山あるんだけど、まずは優希君の血についてお話をしようか』
そうして神様から俺の体の事と血についての事を説明された、いつからかすんごい事になってたらしい。
『次に優希君が呼ばれた理由なんだけど、そこのポンコツが過去の召喚術式を使ってね……』
ホログラフィック越しにマリアンを睨む理映、まぁ仕方ない。
『ともかく、その召喚術式が強制的に解除すると優希君の消滅。おまけで召喚をした神の消滅をするんだ、だから既定の目的は達成してもらうしかないんだ』
「ごめんなさいいいいい!」
耐え切れなくなったのかマリアンが土下座をする。
『それで、もう一つ問題が出てきてね。まぁそれはそこのポンコツに説明して貰うよ、という訳でもうちょっと頑張ってね』
そう言ってホログラフィックは消えた。
「それでマリアン様、もう一つの問題は?」
「それがですね、どうやら邪神が2体居るみたいなんです……」
「「は?」」
俺とノクタールさんの言葉が重なった。
「すみません!! いつの間にか邪神が増えていて!! しかもその場所がわからないんです!」
「「えぇ……」」
「まぁでも、1体は場所はわかってるし。前向きに考えれば良かった? のかな……はぁ……」
「マリアン様、それでその邪神はどこに居るんですか?」
ノクタールさんが気を取り直した様にマリアンへ聞く。
「今勇者達が訓練しているダンジョン【極魔の檻】というダンジョンです……」
「そうか、あそこなのか……」
ノクタールさんがその場所を聞いて考え込む。
「マリアン様そのダンジョンはどんなとこなんですか?」
「地下300階に及ぶ異次元ダンジョンで、奥に向かうとモンスターのレベルが1000前後のオンパレードのダンジョンです……」
「まぁ、そのくらいなら……あの勇者達にはしんどいだろうけど、今彼らはどのくらいの強さなんだ?」
「今は1000前後ですぅ……」
「そうか、なら後500レベル位上げて貰わないと駄目か……」
そうすると少なくとももう少し時間がかかるな……。
「それなら先にノクタールさんとアミリアの結婚を……」
そう言おうとした瞬間ノクタールさんが手で制してきた。
「すまない、アミリア様との輿入れは無しにして欲しい」
「え?」
「その代わり、と言っては何だが。カミナギ様とウチのリリアーナの結婚。及び新たな魔王となって貰いたいんだ。無論政治の大部分は私達が行うから安心してくれ」
「ちょちょちょ! ちょっと待ってください! それってどうゆう事ですか!?」
俺の叫びが会議室に響いた。
---------------------------------
作者です!
144万1000PV超えました!!ありがとうございます!
毎日、そしてここまで読んでいただける方、ありがとうございます!
♡も3万1700超えました!!毎日ありがとうございます!!
☆1090超えました!!感謝!!
新規ブクマもありがとうございます!!
ブクマが4850超えました!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます